狼と香辛料IX

支倉凍砂狼と香辛料IX 対立の町〈下〉」(電撃文庫)を読みました♪

ケルーベで南北の土地を巡る対立に巻き込まれたロレンス一行。

伝説の海獣イッカクの登場で、騒動が大きくなります。

因縁のある女商人エーブと、ロレンスが所属するローエン商業組合との間で板挟みになって…


というところで、下巻です。

いや、もう、お話の筋はともかく、ホロさんとロレンスさんが始終べったべったしてて、どうしましょう、って感じですね〜

電車の中で読もうって人間にとっては、まったくもって困ったものでした。

エーブさんも美味しいところをしっかり持って行きましたし。

これだけでも充分楽しめます。


で、肝心の本筋ですが、町全体を揺るがす大騒動という感じです。

一行商人にすぎないロレンスさんが今まで扱ってきたような「商談」の比ではなく、
より大規模で膨大な人間が関わる壮大な取り引き、「商戦」が描かれます。

この大きな流れの中では、ロレンスさんどころか、エーブさんも、ローエン商業組合のキーマンさんですらも、全体を見渡すことは困難なようです。

が、そんな中でもなんとか利を得ようと画策する二人に対して、振り回されるだけのロレンスさんは後込みしてしまいます。

そんなロレンスさんを後押しするホロさん。
素敵です。


そんなこんなのなんやかやで、土壇場になって意外などんでん返しが待っているわけですが、
ここでようやく、以前からずっと引っ張ってきたコルくんの発見が、威力を発揮します。

自分の小ささを自覚してしまってちょっぴり腐りかけていたロレンスさんが、
エーブさんやキーマンさんたちに一矢報いることができて、ようやくスッキリできます。

それにしても、レイノルズさんは見事なタヌキでした。


さて、次の目的地も決まって、旅はまだまだ、もうちっとだけ続くんじゃ?