デトロイト 感想

映画「デトロイト」を観ました。
2018年2月11日、TOHOシネマズ川崎にて。
字幕版。

・事実に基づくお話というか、当事者の証言に基づくお話というか。

・大まかに前半と後半とに分けられて、後半の出来事が主ではあると思うのですが、そこへ至るまでのあれやこれやというか、後半の出来事に関わることになる人々がそれまでどのように暮らしていたのかみたいな部分から描かれているので、後半の主要人物を把握した上で改めて前半を見るとまた発見があるのかもしれません。

・一方で、前半のとりとめのない日常が描かれているおかげで、後半の出来事の当事者たち各々はあくまでもごく普通に生活していた人々であって、そんな日常の中であのような出来事に巻き込まれてしまうという、他人ごとではなく、もしかしたら自分の身にもふりかかるかもしれないというような緊迫感を感じさせられたように思います。
(日常といっても暴動と制圧という混乱の中ではありますが、その混乱すらも「日常」の延長だったように思えて)

・バラバラに生活していた人々が最終的にとある1点に集まって絡み合っていく構成は、「イレブンミニッツ」を思い出します。
あれも不思議な作品でした。



・いわゆる人種差別が極端な形で暴走してしまったような事件のように見えます。
・少なくともこの映画を見ただけでは白人警官側が悪し様に描かれているように見えます。

・一方で、前半の暴動を見ると彼らは彼らでやり過ぎなのではないかとも思ってしまいます。
・自分たちで自分たちの印象を悪くしていたのではないかと。
・あれだけ暴力的な言動を見てしまうと、元来の肉体的な能力の高さもあいまって、「なんか怖い」という印象が根付いてしまいそう。
・もちろん、過激な言動をしていたのはあくまでもごく一部でしかなく、大多数は穏やかで平静な生活を望んでいたのだろうとは思うのですが、どうしても、過激な人たちと同族として見なされてしまうのかもしれません。

・たとえば、SNSのアイコンにアニメのキャラクターを設定しているというだけで「アニメアイコン」という属性として一括りにされてしまうような



・そういえばあの出来事があったホテルの近所の警備員の人は、見た目は黒人側のようでしたが、そこまで差別的な扱いを受けてはいなかったように見えました。
・被害者の人たちとあの警備員の人とは、何か違いがあったのかしら