UF●学園の秘密 感想

映画「UF●学園の秘密」を観ました。

人物の絵には少し不安定な感じもありましたけれども、背景美術とか画面効果みたいな部分はかなり力が入っていたように見受けられました。

CGの使い方もかなり巧みなようですし、(乗り物の表面の金属的な照り返しとかすごかった)、雲の中から出てくるときの気体の揺らめきみたいな物理演算みたいな部分も、滝の水しぶきや海面の波の描写も、手が込んでます。

あと、登場人物の1人、アンナさんのふとした仕草、髪をかき上げたり、しゃがむ時にスカートを折り畳んだりとか、細かい仕草がかなり丁寧に描かれていた印象です。

主人公グループは男子3人女子2人の5人組、+妹さん1人という構成ですが、人物関係がなかなか複雑そうなのもおもしろいです。

・レイさん(♂)とアンナさん(♀)
・タイラさん(♂)とハルさん(♀)
カップル、
・エースケさん(♂)はぼっち
なのですが、アンナさんは昔家庭教師をしていた先生とも交際していたかのような気配がありますし、
中盤では何の脈絡もなくアンナさんとタイラさんが意味深長な会話をする場面が挿入されます。
いやほんと、あの会話をあそこでした意味がほんとわからなくて、アンナさんとタイラさんとか密かに相思相愛なのではないかと疑いたくなる勢い。

ともあれ、あのあとめちゃくちゃウィクロスしたのかな〜、というエンディング。

あとはハルさんの妹・ナツミさんが、なんだかもうひたすらエロ要員なのではないかという扱いで、直接的なエロ描写は無いものの、
・深夜に森の中でアブダクションされた
・怪しげな学習塾へ行ったら記憶が書き換えられていた
・怪しげな用務員さんに利益供与してしまう
と、どれもこれも性的な事件に巻き込まれていたことを暗示しているようにしか見えません。
ぼくの見方が歪んでいるのかもしれませんけれども、そういう風に見えなくもない、ということで。

全体として、主要なテーマというかお題目さえ無ければ、実のところ、案外おもしろいのではないかと思います。

『世紀末オカルト学園』に匹敵すると言いたくなるくらいに。
中心にお題目を据えながらも、なんだかんだでエンターテインメントしている物語になっているあたり、お話の構成力もかなり高いような気がします。

個人的には終盤は人の善性ばかり強調するのでなく悪意とか欲望とかをもっと見たかった気がしますけど、主人公側はあくまでも善性で、悪性の人たちはあからさまに悪性であるような描き方はちょっと不服。

これだけのアニメーション技術がつぎ込まれているのかと思うと、なんだか途方に暮れてしまいます。

客層がふだんアニメ映画で見かけるのとは全然違った年齢層だったのも印象的でした。