私たちのハァハァ 感想

映画「私たちのハァハァ」を観ました。

ロックバンド「クリープハイプ」のファンである女子高校生4人組が、東京は渋谷で開催されるライブを見に行こうと福岡(?)から旅をするお話。

はじめは中学生かと思ってたくらい、考えや行動の幼さに驚きましたが、旅を通してなんやかんや、成長したのやらしていないのやら。

本人たちに危機感がまったく無かったのが、見ているこちらとしてはヒヤヒヤものでした。

あと案外、Twitter の影響力って大したことないというか、本人たちの周辺ごく一部だけではそれなりに話題になっていたのかもですが、世間一般どころかネットユーザーにすら、さほど認知されてはいなかったのではないかしら。

まあ相手が高校生だと、最近ではいろいろと青少年保護がしっかりしてますから、真っ当な成人はあまり関わり合いたくないというのもあるでしょう。

下手に匿ったりとかしても事案になるのが目に見えてしまうというか。
君子、虎の穴には近寄らず。

あとは、やはりこういうロードムービーには付き物の仲違い。

いやあ、ハラハラしますねえ。

グループ内での美醜の格差だったり、「クリープハイプ」に対する思い入れの違いだったり。
心の余裕が無くなると相手に対する配慮なんか消え去って、ザクザクと相手をぶった切るような罵倒を叩きつけ合います。

すげーです。

このあたりは『ローリング☆ガールズ』でも『ガールズ・ステップ』でも、だいたい衝突してました。

本作の特筆すべき点は、ロックバンドのファンの人たちの距離感を描写したところかもしれません。

クリープハイプさんなら助けてくれるはず」だとか「そんなことしたらクリープハイプさんに迷惑かかる」だとか。
もちろんクリープハイプさんが大好きだという気持ちが高じてではあるのでしょうけれども、それを客観的に見ると、うひゃあって穴掘って埋まりたくなります。

アニオタとか声オタとかドルオタとか、何がしかに入れ込んでしまうと、こういう心境になってしまいがちです。
少なくともぼく自身の場合ですが。

冷静に、落ち着いて対処したいものです。

ある種のDTをこじらせたような、という感覚に近いような気もします。

それにしても、これだけ行動力を伴った家出をされてしまっては、親としては無力感に苛まれてつらいだろうと想像してしまいます。

事件に巻き込まれなかったのは幸運に幸運を重ねた奇跡だとすら思えます。

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