いちおうネタバレ関係は別枠にします。
(前のもだいぶネタバらしてますが)
水道橋博士さんはともかく、津田大介さん宮台真司さん茂木健一郎さんあたりは、その筋ではそれなりの権威であらせられるでしょうに、すっかりうさんくさい人扱いが板についてるみたいです。
というのを含めて、風刺的ではあるのでしょうけれども、これが監督さんの政治的信条の表明かというと、そんなことないんじゃないかなあと思います。
ぴかどんさんにしても、茶化しているだけに思えます。
ぴかどんを忘れない、が売りだったはずなのになんやかんや方向転換してしまって結局ぴかどんはどこかへ消えちゃったあたりとか、皮肉なところです。
主題歌も、ロックっぽい曲調だったのが、なんやかんやで、ゴスペル風のコーラス隊を率いての大仰な感じになっていくのとか、なんともロックバンドあるあるっぽくて、泣けます。
孤高の反骨精神どこいった。
ロックバンドの乗っ取り解散とかひどいものです。
彼らは何も悪くないはずなのに。
リョウさんとの友情云々あたりは泣けます。
一方、マネージャーさん(渋川清彦さん)は本来は純粋に成功志向の強い人なのでしょうけれども、『極道大戦争』でお見かけしてしまっていたもので、ついつい裏がありやしないかと疑って見てしまいました。
劇伴もどこかで聞き覚えのあるような有名な曲が使われていたような気がしますけど、あいにくと曲名に疎いものでして、どれが何の曲でしたやら。
歓喜の歌的なベートーベンの第9番がああいう場面で使われるとえばっぽいなー、とか思ってしまう脳みそではありますが、直近では『きみはいい子』でも使われてたのを思い出して、その落差のひどいこと。
地下パート。
実はトイストーリーを見ていないもので、パロディ的な扱いでいいのか、オリジナリティがあるのかは、判断できません。
が、玩具類と生物とをひとまとめに扱うのは、ちょっと無理があるんじゃないかなあ、とか思ってしまいます。
とはいえ生物も交ぜておかないとぴかどんさんが入ってこれないので、苦肉の策かもしれませんけれども。
というお話上のご都合的な部分とは別に、撮影はどうやったんじゃろう、という技術面も興味深そうです。
パンフレットが売り切れで購入できなかったのですが、そのあたりの言及はあったのかしら。
玩具類だけならばクレイアニメーション的なコマ撮り手法が使えるのでしょうけれども、生の動物も一緒となると、どうするのやら。
操り人形みたく画面の外から遠隔操作してたりするのかしら。
あの中にとけ込めるのは西田敏行さんの演技力ならではなのかしら。
終盤、人形さんたちが街へ繰り出していくあたり、歩き方が微妙に不自然な感じがあったような気がします。
足の運びと移動距離が合っていないみたいな。
そもそも足先が地面に接地していたかどうかも、あまり画面内に映っていなかった気がしますので、どうにかごまかされていたのかもしれません。
逆に、あれで足先までしっかり映って地面を歩いている様子が描写されていたら、その撮影技術すげーってことになりそうなものですが。
本作の場合はぴかどんさんの造形からしてあんまりやる気なさそうでしたし。
造形デザインがガメラさん的な感じになっていたら、それはそれでまったく別物の作品なのでしょう。
長谷川博己さんの役柄は、極端ではあるものの、まあ理解が及ぶ範疇かなあと思います。
見ていて痛々しいというかいたたまれない気持ちに苛まれますけれども。
一方で、麻生久美子さんの役柄は、結局のところ、どういうことなのやら、ぼくにはよくわからなかったみたいです。
長谷川博己さんの気持ちが、ぴかどんさんと麻生久美子さんと自分の成功とに分裂していく中で、麻生久美子さんの比率はかなり小さかったような気がしてしまい。
麻生久美子さんの役柄の強みというか、長谷川博己さんが麻生久美子さんに惚れた経緯みたいなあたりがよくわからなかったのかなあと思います。
個人的な好みとして、ヒロインの人には特別であって欲しい気持ちがあるもので。
そんなこんなで、密度が高いというか、あれもこれもとごちゃ混ぜにしたみたいな、ものすごく欲張りな映画だというのは間違いないのではないでしょうか。
↓感想その1(ネタバレ少なめ)
ラブ&ピース 感想 - 思い出の小箱の隅
↓参照:ひつじのショーン(テーマが通底しているように思えたので)
ひつじのショーン 感想 - 思い出の小箱の隅