このライトノベルがすごい! 2015 感想

このライトノベルがすごい! 2015」、宝島社

1位の作者さんですら、この作品が1位で大丈夫なのかと危惧する勢い。
(ぼくも没頭している読者の一人ではありますが。)

おもしろいのは間違いないにしても、決して万人受けするような作風でもないわけで、他にいい作品ないの?、と思って
しまっても仕方ない感じです。

とはいえ、ランキング上位陣をほとんど読んでいないあたり、ぼくの中では深刻なラノベ離れが加速しているご様子。

アニメでは見ていても原作を手にするには至らなかったり、そもそもアニメですら視聴を継続できていなかったり。

困ったものです。

メディアワークス文庫もろくに読んでいませんが、新潮nex文庫とか富士見L文庫とかみたいな一般文芸との境界のほうがおもしろそうには見えます。
(現状ではnexのサントラ本1冊しか読んでいなくて、Lはいくつか積んでる程度なのですが。)



ボカロ界隈も(たしか昨年から)取り上げられるようになって、実際、売上とかでは上位に食い込んでいたりするようですが、なんとなく、ボカロ界隈の層とラノベ層はあまり重なっていないのではないかという雰囲気も感じます。

単行本サイズと文庫本サイズという形態の差異くらいは開きがありそう。

表題だけではボカロ出身なのか区別がつかなかったりして見落としているかもですが。



ネット発「なろう」系については、既に昨年の段階でも言及があった気がしてあまり目新しさは感じられませんでしたが、年表みたくまとめられると、ほうほうなるほど、と。

元々、二次創作的なものが隆盛していたのが、徐々に場を変えつつオリジナルへ移行してきたイメージかしら。

えばや葉鍵系とかよく読んでましたし、歌月十夜とか懐かしいタイトルも。

月姫リメイク、はよ。



つまるところ、総合ランキングはまあ参考程度な感じで、投票者の分類別ランキングのほうが興味深く見えました。

ホームページからの自由投票や10代中心のモニター票では、アニメ化もされている人気シリーズものばかりという何の面白味も無いランキングですが、
協力者票(そのスジの方々の票)では、イロモノというか変わりダネもいくつか。

個人的な興味としては、もう協力者票だけでいいんじゃないかな、とすら思ってしまうものの、
人気投票としての側面も必要となると、現状の折衷策がほどよい落としどころなのかもしれません。



10代中心のモニター票は、年間50冊以上読むようなヘビィなラノベ読者が対象とのことですが、年間50冊ってかなり閾値として高そうに思えます。

ほぼ週1冊とか、ラノベだけ読んでいるなら可能なペースなのかしら。

が、それでも人気のシリーズものとかだと年間2〜3冊とかでていそうなわけで、シリーズを追いかけるだけになってしまって新規開拓までは手が回らなそう。

週刊連載のマンガもそうですが、刊行ペースが速いのも、読者にとっては嬉しい悩みだったりするものです。

……、話が逸れましたが、そんな若い10代中心のランキングで、キノの旅とか緋弾のアリアとか、下手したらひと昔前とか言ってしまいそうな作品が入っているあたり、継続の力ってすごいなあ、と思います。



ひと昔前といえば、ロードス島戦記とか旧来の名作の新装復刻も増えている、みたいな話題もありました。

どこかの店頭では、魔神英雄伝ワタルパトレイバーみたいな懐かしいタイトルを見かけることもありますが、新刊だけでも膨大に溢れかえる昨今、なかなか昔の名作までは手が伸びなかったり、目立たなくて埋もれてしまったり、ということもあろうかと思います。

新作のガイドも、それはそれで役に立つありがたいものですが、
別枠で旧作を取り上げる企画があってもいいのではないかと思うのはわがままでしょうか。

本書だとジャンル別ガイドが良企画ですけども、これに加えて、このジャンルなら「コレ」はおさえておくべき、みたいな金字塔を載せるとか。

具体的には、ネトゲものなら「クリス・クロス」、とか。

利害関係とかめんどくさくなるかしら。



そんなこんなで、以下、作品部門ベスト60中の既読メモ。

1、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
20、人類は衰退しました
21、俺の教室にハルヒはいない(3巻まで出てるっぽいけど2巻までで止まってる)、
28、Re:ゼロから始める異世界生活(5巻まで出てるっぽいけど3巻までで止まってる)、
36、エロマンガ先生(1巻だけ)、
44、僕は友達が少ない(1巻だけ)、
48、ゴールデンタイム



うわっ…、7/60とか、ぼくの既読少なすぎっ。



そういえばアンケート回答者の年齢分布で30歳以上が8%しかいないというのが、けっこう衝撃的でした。

ラノベなんてものは、もっと、おっさんが喜んで読んでるものだと思っていたのに。

現実は厳しいです。