映画「楽園追放 Expelled from Paradise」を観ました。
人類が電脳世界「ディーバ」に移り住むようになった世界で、ディーバに侵入工作を試みる謎の存在を追いかけるお話。
お話としては、わりかし伝統的な様式美のように感じます。
個人的に、電脳的な心理戦よりも、単純なロボットのぶつかり合いを観るのが好きなのではないかと再確認した次第。
終盤の大乱戦はめちゃめちゃ熱くて興奮しました。
すごい。
以下、ネタバレ。
作画もフル3DCGで手描きセルアニメーションのような雰囲気というのは、技術的にはすごいことなのでしょうけれども、
たとえばディーバ世界と地上世界とで描写に差異があるかというとそれほどでもなかったわけで。
(中盤、処理を軽くしてブロック状にデフォルメされたみたいに明確に違いを描くこともできたはずなのに)
ディーバ世界の住人の休暇が、地上と同じような海水浴なのか、というのも違和感ありますが、
もしかしたら地上世界は砂漠化が進んで海水浴なんてできなくなってて、電脳世界でしか味わえない贅沢趣味だったりするのかしら。
電脳の快楽は肉体の束縛から解放されてる、みたいなあたりも台詞の説明だけで具体的なところまでは踏み込んでいなかったような。
後半のネタ明かしで、ディーバ世界も結局は社畜上等の成果至上主義社会で、労働から解放されることはない、というのがなんとも絶望的です。
社畜の安寧。
知らない誰かから与えられる自由なんてそんなものなのかもしれません。
執行役員がギリシャの方っぽい人とインドあたりっぽい人と東アジアっぽい人なあたりは笑いどころなのでしょう。
結果、もっと締めつけを強化せねばならぬ、みたいなことになってて、ブラックとまではいかないにしても、あんな社会はちょっとヤ。
働きたくないでござる。
なんだかんだで、サイバーな社会風刺的側面もありつつ、そのあたりはさほど目新しさも感じられずに、フツーにおもしろい、くらいな感じでしたが、
終盤のロボットの大乱戦はめちゃめちゃ熱くて興奮しました。
やっぱロボですよ、ロボ。
SHIROBAKOでやってたみたいに、手描きの作画とCG作画が力を合わせると、これだけのものができるのだなあ、と敬服します。
ただ、ビルが崩れて潰されるというのは、ちょっと、怖いです。
痛そうってレベルではなさそう。
序盤で、主人公さんがデバッグだかなんだかで5色の戦隊ものっぽくなったりしてましたが、
電脳のデバッグというと「BOOM TOWN」のイメージが脳裏にあるので、あれが映像化されたりしないかな〜、と密かに期待しているのですが、誰かやらないですかね。
CGといえば、予告で流れたアップルシードがなんかすごそうで、あれも期待。