一命
映画「一命」を観ました。
2D。
原作未読。
旧作未見。
赤貧のお侍さんの悲劇として、お話の構図はお見事です。
武士の面目と、貧しくとも生き抜くしたたかさとの、せめぎあいです。
ただ、味付けが、なかなかに奇妙なバランスです。
切腹の場面は、ただひたすらに痛々しくて、精神的にだけでなく物理的にもお腹が痛くなりそうな勢い。
年齢制限が無いのが不思議なくらいです。
終盤の、多勢対無勢の大立ち回りは大迫力。
竹光一本で、圧倒的な強さを見せつけます。
関ケ原や大阪の陣から久しく、実戦を知る者が少なくなったという時代背景も強い意味合いを持ってきます。
お侍さんの悲劇っぷりは、観ていて痛ましくなります。
詳しくはわかりませんでしたが、当主家の没落によって、大勢のお侍さんたちが大変な目にあったことでしょう。
狂言切腹についても、最初の人は、まさかそんなつもりもなかったでしょうに。
武士の面目とは、まったくもって厄介なものなのでありました。
噂によるとリメイクだそうで、旧作も観てみたくなりました。