碧水惑星年代記
大石まさるさんの「碧水惑星年代記」、少年画報社YKコミックス。
無印、続、環、翠、に続く、水惑星シリーズ5冊目です。
軌道エレベーターが確立し、人類は宇宙へ飛び出し、地球の海面が上昇しつつある近未来を舞台にした、短編連作シリーズです。
しばしば鶴田謙二さんの作品群と比較される通り、似たような雰囲気を持っていますが、こちらの方が圧倒的に発表ペースが速いです
以下、個別にネタバレ。
【みずわくせいえほん あきてがみ】
カラー4Pの、絵本のような、ふんわかほんわかした、秋の便りです
【どってん☆】
鶴田謙二さんは、チャイナさんのために月を砕いて地球にリングを架けましたが、
こちらは、土星の輪をエンゲージリングにしちゃいました
打ち上げロケット時代の閉幕です。
【アル be レオ】
海とイルカと学校のお話でしょうか…
中学生くらいで、学校の外側に自分の居場所がある人ってかっこいいと思いますし、それを受け入れる周りの大人も素敵だと思います
【凪と波】
遥か遠くの「約束の星」への大移民、その唯一の生き残りである男の子・ナギと、ちょっぴりワケアリな女の子・ナミの、サバイバルなお話。
神話って、この後が困ったことになっちゃいますよね〜
【ホシテルムシ】
星に擬態する、無機物と有機物の間に位置する不思議な「星照虫」を追いかける少年のお話。
冷たくカタイ石が、じんわりと命を主張するという感覚が、新鮮です
【更新行進曲】
ちょっぴり不思議な女の子と、刑事さんと、カリッフワッバターなやきたてパン屋さんと、偏屈な童話作家さんのお話?ですか?
作者のコメントによると、ファンタジーだそうです
【正しい地図】
急に仕事を辞めた壮年男性が、二十数年ぶりに自分の生まれた町を訪れて、ちょっぴり変わってしまった町を大冒険するお話
時代や町の変化と、自分の視点や気持ちの変化との対比が、おもしろいです。
手書きの地図って、いいものですね〜