映画「小野寺の弟・小野寺の姉」を観ました。
それなりの年齢の姉弟のお話。
お話自体はどうということのない感じだと思いますが、心理描写が丁寧で、上品な雰囲気です。
お互いを思いやる気持ちみたいなものを描きつつ、優しさがひとりよがりな押しつけがましいものになってはいないかと我が身を振り返らせてくれる感じ。
仲良きことは美しきかな。
何より、日常のなんてこともない会話が楽しいです。
ちょっとしたことで勝負を持ちかけたり、罰ゲームを課したり、軽口を叩いたり。
ごくごくフツーの、そこいらで生活しているかのようなありふれた感じ。
はじめのうちからチラチラと回想に出てくる先生があんな大活躍するとは思いませんでした。
恋愛的な要素もあることはありますが、それも日常を彩るちょっとした事件くらいの程度。
本人たちはいたって真剣で、だからこそそれなりの起伏もありますが、そういうこともありますよね、人間だもの。みたいな。
弟さんは少しばかり腰が引けている感じもありますが、女性陣はわりとぐいぐい押していく感じも。
(観ている時は気づかなくてエンドロールで知ったものの)寿美菜子さんのアピールとか、すげーです。
客観的にみるとあざとさすら感じますが、あのくらいの押しの強さが必要な場面もあるのかもしれません。
及川光博さんの、有能なんだか鈍いんだかよくわからない具合も、いい感じです。
山本美月さんの狩りでもするかのような退路を塞ぐ誘導の仕方も見事でしたが、ダメだと察するやさっさと撤退する引き際も見事でした。
好機を逃すと次は無い。
女子力おそるべし。
あと、麻生久美子さんが素敵だったのですが、まあ、義姉(小姑)との同居に気が乗らないのは仕方ないのかもしれません。
難しいものです。
そんなこんなで、女子の人はフツーに生きるだけでも大きな努力を要するようで大変だなあと思いつつ、
弟さんもわりとモテ体質なのは大半が外観要素に拠るもので、外観が違ったらただの変な人だよなあとか思ったり。
研究職だか開発職になるのかわかりませんが、収入は良さそうなのに千円札貯金というのが涙ぐましいです。