映画「おじいさんと草原の小学校」を観ました。
ケニアの84歳のおじいさんが、小学校に通うお話です。
イギリスからの独立運動や、部族間の感情のいさかいなどの影が色濃く残っている様子がまざまざと描かれています。
主人公のおじいさんは、とある手紙を自力で読むために、小学校に通って、読み書きを学ぼうとします。
鉛筆の尖端が怖かったり、耳が聞こえにくかったり、足を引きずっていたりと、独立運動の過程の苛酷さが形となって残っています。
おじいさんの物語であると同時に、受け入れた側である小学校の女の先生の物語でもあります。
おじいさんが小学校に通うというのは、単なる美談では終わりません。
子どもたちの学ぶ機会を奪うものとして、糾弾されたりしてしまいます。
また、マスコミの取材など、利権も絡んできます。
大人の世界は、とかくめんどくさいです。
そんな中でも、文字を覚えて喜ぶおじいさんや子どもたちの笑顔は眩しく、生き生きとしています。
数字の5が書けなくて悩む子どもも、おじいさんと一緒に乗り越えていきます。
アフリカの方面に根付く諸問題を提起しつつ、教育が未来へもたらす明るい希望を見ることができた気がします。