新城カズマ「15x24 link five ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック」
「15x24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと」(ともに集英社スーパーダッシュ文庫)
読了してから間が開いてしまったのでまとめて。
〈徳永準〉くんの自殺(心中)を巡る鬼ごっこも、ようやく終結でしょうか。
うーん、読了時の感覚がだいぶ薄れてしまったのは大失敗
5巻では、女性陣全員集合がハイライトだったでしょうか。
うーん、こうして冷静になってみると、男性陣に比べて、女性陣の抱えている負荷の大きさに唖然とさせられます。
作者側の都合なのかもしれませんが、男子側は大半がフツーののほほんとした学生さんばかりに見えてしまう(ミツハシくん除く)のに対して、
女子の人は……、
うーん、高校生くらいにもなると、男女の差異ってこんなにも大きいのかしら。
いや、単純な性差だけの問題ではないはずなのですが。
6巻では、まず、〈17〉さんの正体と、その背景の陳腐さ、さらにその陳腐さを逆手に取った「ソウルフルなロジック」に唸らされます。
……が、〈17〉さんの正体が判明したときは、「え?」っと困惑しました。
いや、だって、ご家族は???
うーん、読み落としがあったんでしょうか……
それはともかく、ダメダメだと思っていたマーチくんが、思いの外に熱くて驚きました。
人生、気持ちだけではままならなくても、気持ちがあればなんとかなるってことかしら。
で、本書の結論部分について。
まず、根本的なところで、ぼくは誰かのために24時間必死になるようなことはできないだろうな〜、というのが、本音です。
身近な、自分にとって大切な人であればまだしも、見ず知らずの赤の他人のために動くことはできないだろうな〜、と思ってしまいます。
ただ、この世に、いわゆる「フラグ」のようなものがあるとしたら、本書のササウラくんの主張のように、その人のためにどれだけ時間を費やすことができるか、ってところに掛かっているのかもしれない、とも思います。
少なくとも、フィクションの世界では、何か重要な局面において「そばにいることができる」ということほど強い絆はないように思えます。
その時その場所に在ることの困難さと、それ故の努力と偶然によって奇跡が生じるのだとしたら、
この世はまさしく奇跡に満ちて輝いているのかもしれません。