斉木久美子(原作宮木あや子)「花宵道中」1巻、小学館

江戸時代の吉原を舞台にした、第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞および読者賞の同時受賞作の、まんが版です。

題材が題材なので、官能的な場面もあるわけで、視覚化されると、その部分もひき立っているわけですが、
それにも増して、江戸・吉原の情景を、目に見える形で表現されているのがありがたいです。

とくに、表題にもなっている道中の場面の美しさといったら、もう、言葉にしようがありません。



このまんが版では、冒頭で既に登場人物の大半、八津さん三津さんをはじめ、江利耶さん、水蓮さん、茜さん、桂山さん、緑さんと、ずらーっと顔を出していて、
この人たちのこれからのお話に期待が膨らむような構成になっているのも良い感じです。

同じような髪型をしていても、それぞれ個性が出ていて、描き分けが上手だな〜と感心させられます。

単行本としても、第一部を終えて第二部の導入部までという、続きが気になるようになっているのがにくいです。