映画「小川の辺」を観ました
お侍さんによる上意討ちのお話です。
以下、内容に触れます
主人公さんのライバルさんを、上意により討つことになるわけですが、
ライバルさんの奥さんが主人公さんの妹さんということで、さてどうしましょう、という感じ。
容赦ないです。
そもそも、ライバルさんが追われるはめになった理由というのが、やるせないです。
正しいことをしようとして罰せられるなんて、ひどい話です。
そんな命令でも、上意とあっては逆らえないのがお侍さん。
難しいところです。
とにかく、どこもかしこも葛藤だらけで、もやもやとすっきりしません。
個人的には、ライバルさんを主人公視点にした乾坤一擲な下剋上物語、くらいのものを観てみたい、とか思ったり。
どうにも行き場のない思いがぐるんぐるんします。
生き残るならライバルさんの方がよかったのではないか、なんて思ってしまいます。
そのくらい、なんにも残らない、嫌な事件でした。
主人公さんはかっこいいです。
たしかにかっこいいのですが、なんだかかっこいいだけの人みたいな印象です。
妹さんがまた、夫であるライバルさんのために、主人公さんの前に立ちふさがるわけですが、
幼馴染み男子さんとの間で心が揺れる描写もあったりして、
兄妹がどうしても刀を交えなければならない、という必然性が薄れてしまっているようにも感じます。
幼馴染み男子さんの存在は、お話の進行上は必要だったのかもしれませんが、心理面では焦点がぼやける一因となってしまったように感じます。
結局のところ、ライバルさんが死ななければならなかったことに納得がいかず、やりきれない気持ちなのでした。