まおゆう魔王勇者1

橙乃ままれまおゆう魔王勇者」1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」を読みました

ネットで話題になったお話の書籍化、全5巻の第1巻だそうです。

RPGなどでお馴染みの、中世ヨーロッパ風な剣と魔法の世界設定において、
人間たちと魔族たちとは戦争をしていて、
魔族の王たる魔王を、勇者が単独で討伐に向かったところ、
魔王は勇者に語りかけるのです。
「この我のものとなれ、勇者よ」と。

人間と魔族との争いを越えた、「あの丘の向こう側」を、共に見に行こう、と。



人間側にも魔族側にも、戦争を行なう事情があり、戦争が継続されていることにより、世界の均衡が保たれているという皮肉な面も指摘した上で、
それでもなお、誰もが血を流さずにすむような、飢えて死なずにすむような、
そんな世界を実現するために、
魔王と勇者が手を結ぶのです。



ただ、魔王と勇者の2人だけで変えられるほど、世界の秩序は生易しいものではないわけで、必然的に、様々な人物が関わってきます。

そんな彼ら彼女らが、血が通い肉をまとって生きたキャラクターとして動き出したとき、
「魔王」と「勇者」の在り方も変化していきます。



勧善懲悪な二項対立を越えた、「あの丘の向こう側」を見に行く物語が、
体裁を新たに、再び始まりました。

用語解説なども充実していて、読み応えたっぷりです。