ブレッドウィナー 感想
「ブレッドウィナー」を見ました。
2019年12月31日、恵比寿ガーデンシネマにて。
字幕版。
「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」の監督さんの新作だとか。
作品紹介では、生きのびるために男の格好をした少女のお話みたいな感じだったので、いま映画館で実写版の予告編が流れているムーランみたいになのかしら、なんてわりとお気楽な気持ちで見に行ったのですが、
なんというかこう、世の中ままならないというか、無力感に苛まれるというか、
戦いを軸に据えた大活劇みたいなのであればドキドキハラハラはあっても最終的にはなんとなくハッピーエンドっぽくなるんじゃないかという期待が持てたりしますけれども、本作はどちらかというと日常系というか、
主人公の家族というレンジでは山あり谷ありながらもどうにかなりそうみたいな希望がありそうではありましたが、もう少し広いレンジの、物語の中ではなんとなく察せられるくらいな外側の世界では更なる状況の悪化が感じられて、
あれが現在進行形だと思うとなんとも。
超越的な力を持ったヒーローが悪党をばっさばっさとやっつけて解決するような問題でもないでしょうし。
せめて、文字の読み書きはできなくとも彼女たちに寄り添って味方をしてくれていたおじさんみたいな在り方ができたらいいのでしょうけれとも。
もしかしたらそういう取り組みをしていたのが、ニュースで伝えられていたあの方だったのかしら。(自分の無知が恥ずかしい)
「ディリリとパリの時間旅行」もずいぶん極端だなあとか思ってしまっていたのですが、ぼくの視野が狭いだけで、世の中はこういう世界なのかもしれないと思うと、なんだか暗澹たる気持ちになりそうです。
1月13日追記、「この世界の片隅に」と対比しやすい部分もあるのかも。お兄さんの劇中劇みたいなエピソードと鬼ぃちゃんとの対比とか。でも、すずさんは姉でこっちは妹か