ミスミソウ 感想

映画「ミスミソウ」を観ました。
2018年4月7日、新宿バルト9にて。上映前に出演者と監督の舞台挨拶付き。
原作未読。

舞台挨拶

出演者さんは10人くらいいらっしゃったでしょうか。劇中と同じ衣装で登壇なさってました。
本日2回目の舞台挨拶だったそうで、リラックスしてたみたい。
大勢いらっしゃると絢爛豪華な感じはありますが、少しばかりわちゃわちゃしてしまっていたかもしれません。
おまけに上映前ということでネタバレにも配慮しながらになってしまい、どこまで話していいのか探り探りであまり深いお話は聞けてないような感触でした。
上映後だったらもう少しぶっちゃけたお話を聞くこともできたのかしら。

クランクアップ(でいいんでしたっけ、撮影終了したこと)の時に出演者さんに監督から卒業証書が手渡されたというエピソードも写真付きで紹介されていましたが、映画の結末を見ると、粋な計らいだったことがよくわかりました。
原作者さんの手描きイラストも卒業証書に入れてらしたそうですが、スクリーンに映し出された写真だとそこまではっきりとは見えなかった気がします。

回想場面が美しいというのはよくわかりましたけど、ドングリ150個集める場面とやらはわからんかった。

実はどういうタイプの作品なのかすらわかっていなかったので、(たぶん予告編もじっくりとは見てなかった気がする)、事前にかなりグロテスクだという警告をしてもらえたのは、心の準備ができてよかったです。
何も知らずに見てたらうへぇってなってたかも。



余談ですけど、遅れて入場してきたお客さんがチラホラいらっしゃってもったいないと思いましたが、もしかしたら通常の上映と思ってて予告編が終わったくらいに入場しようとしてた方々だったのかしら。
あと最前列に陣取っていた方々が、舞台挨拶が終わると即座に退場していって、演者さんのファンであっても最前列で首を痛くしながら見るのはイヤだったりするのかしら。


本編

グロ。
スプラッタ系で血が飛び散る方向のグロですが、登場人物が中学生なのもあるのか、ド派手にぶっしゃーっと血が飛び散るよりも、刺したり切ったりといった小規模なものが多くて、その小規模さゆえに生々しさがいや増していたように思います。
得体の知れない怖さというよりももっと身近で等身大の痛みというか。
中学生って怖いなあと思いました。

写真のところは、たまたまかもしれませんけれども「去年の冬、君と別れ」と重なる部分もありつつ、自分から飛び込んで行ってのあの行動というのはものすごい執念のようにも思えます。



ノザキさんとタエちゃんさんとの紅白の対比とか、教室でカーテンに絡まっていちゃいちゃしてるところとか、綺麗だなー尊いなーと思います。
一方でタエちゃんさんに想いを寄せるちびっ子には徹底して冷たく当たってて容赦ないなーとか美醜の選別世知辛いなーとか思いました。
ボウガンくんとモデルガンくんのコンビも。
あそこの、雪景色の中に鮮やかな赤いコートで佇んで黒い髪の毛が風になびいている様子を見たらそりゃあ暴発もしてしまうよなーみたいな。


観客の立場ではあの事件を神の視点で見ることができていますけど、警察とか報道の人たちは結末しか知ることができないはずで、そこからどのように事件の全体像を推察するのかしら。
生存者がいたからおそらく生存者の証言をもって事件の真相ということにするのでしょうけれども、どこまで裏を取ることができるものなのでしょう。
場合によっては生存者が必ずしも全部を証言するとは限らないような気もしますし、そうでなくても、生存者本人ですら知らない部分はかなり多いはず。

本作は違いましたけど、信用できない語り手のスタイルを採用することもできそうに思えます。