映画クレヨンしんちゃん2017 襲来!!宇宙人シリリ 感想
映画「映画クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ」を観ました。
5月3日、川崎チネチッタにて。
生き物を成長させる能力を持つ宇宙人一族の生まれながらも生き物を若返らせる能力しか発現できなくて落ちこぼれ扱いされていたシリリさんが、お父さまの役に立ちたい一心で野原家にやってくるお話。
シリリさんの若返らせる能力によって、ひろしとみさえも子供になってしまい、元に戻してもらうために、シリリさんのお父さまがいるという種子島を、子供(の姿)だけの野原一家が目指します。
ドタバタでコミカルなロードムービーではありますが、なんとも重たい題材でした。
近頃の流行語でいうところの毒親問題というやつになるなどしょうか、高圧的で絶対的な父親が息子を言いなりになるように抑圧し続けるというもので、シリリさんは父親に認められたくてがんばろうと一途でひたむきで、ちょっぴり視野が狭くなっていて、父親の命令は絶対で、父親以外の人は信じられなくなっていて、意固地になっていて、とにかく父親に認めてもらいたいといういじらしさ。
物語としては、父親はシリリさんの能力を悪用しようとしていた悪い人みたいな扱いになってしまっていましたけれども、あれが悪意ではなく本当に子供のためになると思ってああいうやり方をする人もいるようですし、なんかもうほんとキツいお話が根底にはあるような気がします。
表面上はしんのすけさんがおばかなことをやって事態の深刻さを緩和してくれるのが、救いではあります。
あと、ロードムービーであるということ。
父親の言いなりで頑なになっていたシリリさんが野原一家といっしょに旅をする中で、いろんなものを見たり聞いたり食べたり、いろんな人たちと触れ合ったりしながら、目に見えて変化するというほどではなくとも、父親の庇護の下にいるだけでは得られなかったであろう何かを、もしかしたら得ることができたのかもしれません。
カスカベ防衛隊も活躍していてよかったよかった。
沢城みゆきちさんのああいう役柄って案外珍しいのではないかと思ったけどべつにそんなこともないのかしら。
あと久野美咲さんかわいい。
エンディングロールは後日談になっていて最後の最後にちゃんとした結末があったのですが、エンディングロールの途中で出ていってしまった隣の隣に座っていた二人組さんは結末が気にならなかったのかしら。