追憶 感想

映画「追憶」を観ました。
5月6日、横浜ブルク13にて。

小さい頃にちょっとした接点のあった3人の子供たちが、大きくなって再会するお話。

30過ぎの男性3人が3人とも結婚しているというのは今のご時世としては珍しいのではないかと思いつつも、3人とも育ちの過程で家族愛みたいなものを希求していた面も強そうではあるのでそういう背景も含めると既婚なのもむべなるかなではあるのかしら。

3人それぞれに家庭を持っていて、それぞれにいろんな事情を抱えているということまではわかるのですが、それら3種類の事情はあくまでそれぞれの家庭の事情でしかなくて、対照的だったり相互参照的だったりするような関連性をあまり感じられない構成なので、現実的にはそんなもんだといえばそんなもんなのかもしれませんけれども、フィクションであるからにはもう少しお互いに関係があるほうが好みかなあとか思ったりもしました。

3組の家庭がそれぞれ位相の異なる位置付けになっているという見方でもいいのかもしれませんけれども、ちょうど120度ずつ位相がずれているかのように、お互いに干渉しない距離を置いているようにも見えます。

そういう視点で見れば、位相の異なる三つの波が、映像として通奏低音のようにたびたび映し出される日本海の荒波と重なるように思えなくもないかもしれません。



そんなこんなで、刑事さんが殺人事件の被害者と事件前日に会っていたことを捜査本部に報告せずに黙っていたというのはやっぱり不祥事になってしまうのかしら。