聖の青春 感想

映画「聖の青春」を観ました。
12月17日、イオンシネマ港北NTにて。
原作未読。

原作に基づいたフィクションであり、事実とは異なる描写がありますとかなんとか。

将棋のお話。


3行で

  • 3月のライオンのマンガやアニメでも見かけるような場所が実写で出てくると、本当に実在する場所なんだなーというよくわからない感慨を得ました。

実写ならではの説得力というか。
村山さんの部屋のごちゃごちゃっぷりも、3月のライオンの桐山くんの部屋の空っぽな感じと対照的。

  • 東出さんと羽生さん

失礼ながら、生前の村山さんのお姿をあまり知らないもので、松山ケンイチさんの役作りについては正直なところわからない部分も多いです。
一方で、羽生さんについては、将棋の世界に疎いぼくでもテレビ等で目にしたことがある気がします。
(実際にどんな番組でお見かけしたのかは記憶が定かでないですが)
そういう立場から見ると、東出昌大さんの扮する羽生さんの姿は、「見たことある」と感じてしまうくらいに生き写しのようでした。

もしかしたら、単なるモノマネに過ぎないのかもしれません。
音楽とか撮影的な技術によって支えられている側面もあるかもしれません。
けれども、それでもなお、あの画面の中にいたのは羽生さんだったように思えます。

とくにクライマックスとなる村山さんと羽生さんとの対局の気迫のこもりかたを見ると、ただ仕草をマネているだけだなんてことはとても言えやしません。真剣勝負の醍醐味を見た気持ちです。

村山さんと羽生さんはそれ以前にも(少なくともこの映画では)対局していて、それもまた力の入った対局だったのですが、
それはそれとして、その対局後の居酒屋でのエピソードがまた、たまらなく良い雰囲気でして。

徹底的に趣味の合わないお二方ではありましたが、力の限りを尽くした対局の後だからこその腹を割った会話ができたようで。

「将棋」があったからこそ、村山さんが体を患っていたからこそ、あの場面が訪れたというのはなんとも皮肉で運命の神様を呪いたくもなりますが、それゆえの静かに張り詰めた関係でもあったのかもしれません。

村山さんが亡くなった後、羽生さんが村山さんの御霊前を訪れたことを村山さんのお母様がふと口に出しました。
せっかくの映画なのだから、しかもフィクションであることを明記して脚色しているのだから、村山さんを弔う羽生さんの姿を映してくれてもよかったのではないかと思う反面、その羽生さんの姿をあえて映さないことで逆に浮き彫りにできることもあるのかもしれません。


  • 古本屋さんのお姉さんかわいい

鷺沢文香さんとはまた違った、もう少しPa寄りの属性っぽいお姉さんでしたが、ああいうお姉さんが店番している古本屋さんがあったら自分も足繁く通ってしまうかもしれません。
ただ、そこでいたずらなkissを購入するだけの度胸は無いと思います。
見栄を張って岩波の小難しそうなのを買おうとしてみたりしそうな気がします。


本作では村山さんの弟弟子ポジションだった染谷将太さんが、3月のライオンの実写映画では二海堂くん役を演じるというのは、なんとも因果なものを感じたり。


メイクのせいなのか、ずいぶん老けたというか、テレビでよく見かけていた頃の印象とだいぶ違うような気がしてびっくりしました。


チンピラみたい。