劇場版マジェスティックプリンス−覚醒の遺伝子− 感想

映画「劇場版マジェスティックプリンス−覚醒の遺伝子−」を観ました。
11月12日、TOHOシネマズ川崎にて。

テレビシリーズは見ていたはずですが、ヴァルヴレイヴと混同していたらしく、あれ?こんな話だったかしら?、と思ってしまいました。

とはいえ、おそらくテレビシリーズを知らなくても楽しめるような作りだったと思います。

説明的なわけでもないのに主役の5人(6人)の性格や関係性がだいたいわかるようになっていて、話の運びがすごく上手に感じました。
見ているうちにそういえばこんなキャラだったと思い出す部分もありますが、概ね、本作の描写だけでわかるようになっていたと思います。


大枠としては、宇宙でロボットに乗って地球外生命体と戦うジャンルです。

中心となるのは、軍隊だったか訓練校だったかで落ちこぼれの「ザンネン」扱いされていた「チームラビッツ」の5人。
はじめは5人だったと思いましたが、+1人も。(どういう素性の人でどういう経緯で加わったのか覚えていませんでしたし、この映画では説明もなかったはず)

そのチームラビッツ6人は、なんかよくわからない遺伝的な適性で特殊なロボット機体を操縦できるため、宇宙から侵略してきた敵性勢力との戦いで大きな戦果を上げていたみたい。

今回は、その敵性勢力がやってくるゲートを破壊して侵略を阻止したものの、残存した敵性勢力が全部集まって地球にまっしぐらな上に、ものすごく強い個体がいて、さあたいへん、みたいな。


そんなわけでけっこうな窮地に陥るのですが、その窮地における各人の反応や行動の描写のおかげで、登場人物たちの性格や関係性がわかりやすくなっていた気がします。

テレビシリーズからおなじみの観客にとってはファンサービスだろうと思いますが、テレビシリーズをあまり覚えていなかった身にも、とてもありがたい場面でした。

(あまり似ているわけでもないはずですが、同じ平井久司さんの絵柄のせいか、ファフナーの裁判回みたいな感覚で見ていた気がします)

深刻な事態ではあるものの、重たくなりすぎず、適度にコミカルな描写が挿入されて笑いがこぼれたりもしていました。


そして、中盤以降の戦闘場面は圧巻に次ぐ圧巻。

宇宙空間ではぐるんぐるん回転するカメラワークに目が回りそうでしたが、
大気圏に突入して自由落下中のあたりでは雲海のおかげで上下の位置関係もわかりやすいし、
地上に降りてからも都市部はともかくラベンダー畑の、あのラベンダー色の中での格闘戦がものすごく熱いです。

おまけに「覚醒」と言っていたと想いますが、機体のパワーアップも加わって、めちゃめちゃかっこいい大迫力の戦闘場面でした。

言うなれば、プリキュアで劇場版だけの特別な変身フォームになって戦うようなものでしょうか。

先日のキュアモフルンも素晴らしかったですが、こちらも負けず劣らずの見事な戦闘を見せてくれます。

何より、登場人物の各々がそれぞれ自分の特性に合った役割を担っていて、力を合わせることで全体としてものすごいパワーになっているのが、とてもよかったです。


ただ惜しむらくは、敵さんに対するフォローが何もなかったところでしょうか。

ああいう出自で、もしかしたら望んでああなったわけではないのかもしれないし、憎しみや戦い意外のことを知ることができれば違った生き方もあったのではないかと思うのですが、そういうフォローもなくただやっつけておしまいだったと思うので、少し心残りです。


エンディング後には、チームラビッツによるスペシャルボイスドラマがありました。
楽屋オチみたいなものではありますが、これはこれで楽しくてよかったと思います。

今回は第2弾のようでしたが、第1弾はどんなだったのかちょっぴり気になります。