オーバー・フェンス 感想

映画「オーバー・フェンス」を観ました。
9月17日、シネ・リーブル池袋にて。
原作未読。

職業訓練校で建築を学ぶ学生さんたちと、ちょっぴり周囲となじむのが難しそうな女性のお話。

主要な登場人物は、オダギリジョーさん、松田翔太さん、蒼井優さん。

オダギリジョーさんは東京で建築系のエリート会社員だったようですが、家庭の事情で退職。
失業手当のために職業訓練校に通っているご様子。

松田翔太さんは職業訓練校でのオダギリジョーさんと同級生。
飲食店方面の企業を目論んでいるご様子。

蒼井優さんは松田翔太さんと旧知の仲。
飲食店的なところで働いたり動物園兼遊園地的なところで働いたりしているご様子。



柱になるような大きなストーリーがあるわけでもなく、上記のお三方を中心に、どんよりした日常が描かれていきます。

細々とした出来事は日々起こりますし、蒼井優さんの存在は少しばかり過激な部分もありますが、あくまでも閉塞的な日常の範囲内のように思えます。



オダギリジョーさんの元配偶者(離婚調停中だったかも)の優香さんもまた、オダギリジョーさんの口から語られる彼女のしでかしたことの重さを感じさせないくらい、劇中で対面したときは穏やかな雰囲気でした。
逆に言えば当時はそれだけ切羽詰まっていたということなのかもしれません。

結婚生活って大変そうだなあと思います。

にしても、蒼井優さんもまた「わー」っとなっちゃうタイプとして描かれていますし、実際にオダギリジョーさんも「わー」ってなった場面を目の前で見ていた/体験していたのに、それでもなお蒼井優さんに惹かれてしまうというのは、なにか業でも抱えているのかしら。

生活していくことは埒外で単にああいうタイプが好みなのか。
優香さんにしてしまったことの贖罪みたいな感覚で、次はうまくやろうという意気込みなのか。

いずれにしても苦労しそうだなーと思ってしまうわけですが、そんな将来の不安ばかり考えてしまうから結婚できないのかもしれません。



蒼井優さんとオダギリジョーさんが仲良くしているのを端から眺める松田翔太さんのなんともいえない表情もぐっときました。