エクス・マキナ 感想

映画「エクス・マキナ」を観ました。
6月18日、川崎チネチッタ
字幕版。

山奥の研究施設に閉じこめられたクローズドサークルもの。

インターネット的なコンピューターネットワークが人工的な知能を形成し得るみたいな話はserial experiments lain あたりでもおなじみの題材ですが、検索エンジンこそが人間の思考そのものだ、というのは興味深いです。
ネットワークという漠然とした概念からもっと具体的に人間の思考に近づくアプローチであるように思えました。
実際の運用にあたってはアダルト方面をフィルタリングして除外したりするような恣意的な操作もある程度必要なのでしょうけれども。

素材面でも、現行の電子部品を使ったガチガチの電装ハードウェアではなくて、ゲル状の物質に分子間での電気信号のやりとりで神経網を構築しようというのが興味深く感じました。
技術的な実現可能性については浅学なものでよく知りませんけれども。

といったソフトとハードから成る人工知能を搭載したロボットに対して、チューリングテストをしましょう、というのが本作の大まかなあらすじ。

本作の場合は、はじめから相手がロボットであるとわかった状態でありながら、彼女(外見は機械的な部分もあるものの人間の女性を模した造形)を相手に主人公が会話して、彼女が人間のような思考をしていると感じることができるかどうか、というテストをすることになります。

もうひとり、アジア系の女性が社長さんの身の回りのお世話係っぽい感じで登場するのですが、こちらは中国語の部屋的なものの暗喩なのかしら。

人工知能が人間と同じような思考をすることができるのか、それとも、あたかも思考しているかのように相手に思わせるようなプログラム的な反応をしているだけなのか。

結局のところ、外側から観測しようとしても難しそうだなあと思いました。

余談。

あれだけセキュリティーに配慮した施設でありながら、ロック解除に物理的なカードを使用している(=カードさえあれば本人ではなくてもロック解除できてしまう)というのはちょっとばかり雑だった気がします。

どうせなら指紋認証とかにしておいて、その上で手首から切り離して持ち歩くくらいの残虐性があるとインパクトは強そうなものですけれども。

とはいえ、終盤の展開は、ある程度は類型的な部分もありますが、やはり、うわぁっとびっくりするような出来事が立て続けに発生して、奇妙な観後感でした。