神様メール 感想

映画「神様メール」を観ました。
5月29日、静岡東宝会館にて。
字幕版。

神様の娘を自称するエアさんが兄であるJCのアドバイスに従って6人の使徒を集めるお話。
と、エアさんが父親である神様のパソコンをいじって、地上の人間に寿命(死ぬまでのタイムリミット)が一斉メール送信されてしまって、てんやわんやなお話。

基本的には横暴な父親に反発して家出した娘さんが、地上のいろんな人々と触れ合っていく人情もののような雰囲気ではありますが、わりかしドライというか、冷徹な視点のように見えます。

寿命が可視化されても死に怯えるわけでなくむしろどのように死を迎えるか、残りの生をいかに楽しむかという部分の比重が大きいのはお国柄もあったりするのかしら。

お話の本筋はともかく。
神様の娘エアさんが出会う使徒の人たちの特殊性癖見本市みたいな感じが、えっちな意味でいい感じです。
とはいえさほどハードコアな描写があるわけではなく、ほのめかす程度ではありますが。


隻腕、義手

片腕を失う場面はちょっとヒェッってなりました。
義手であることを特別扱いするわけでもなく、そのまんまそういうものとして表現されていた気がします。

窃視、露出

海辺での窃視から妄想を膨らませて、公共の街中ですっぽんぽんな人たちが歩き回る妄想の世界。
日本では時間を止める系統の作品だったり、常識改変世界みたいな作品だったりでもお馴染みかと思いますが、北欧系のスタイルのいい方々で見るとより一層の迫力を感じる気がします。

ショタ

けっこうな年齢と思われる女性が若い男に声をかけられて溺れてしまったり。
哀しい。

同じ女性が、エアさんに誘われてサーカスへ行くと運命的な出会いが。
さすがに直接的な描写はないものの、エンディングも含めて、いやはやなんとも。

異性装

放浪息子でいえばマコちゃんみたいなメガネ男子小学生が真っ赤なワンピースのドレスを着てきゃっきゃうふふ。


それぞれ単体の属性だけであればさほど特異ということもない性癖ではありますが、これらが一堂に会するというのは案外珍しいのではないかと思いました。

欲を言うなら、寿命のタイムリミットという設定がいまひとつ上手に機能していなかったのではないかという気もしてしまうのですが、ゆーちゅーばーみたいな人が体を張ったりしていて天ドン的なお笑いが生じていたので、これはこれでそういう狙いなのかもしれません。

「あと10年しか生きられない」のではなくて「あと10年生きられる」という考え方ができるようになると、日常の生活も変わったりするのかしら。

なんだかんだ言っても、エアさんがかわいい、というのが最大の長所だと思います。

一方で神様の扱いのひどいこと。
神様とは言っても自称なおかげでパソコンが無いと何もできないという残念っぷり。
そもそもそのパソコンは誰が用意したのかしら、という疑問もありますが、オチの感じからすると元々はあの人の物だったのかしら。

一斉メール送信でちゃんと本人宛てにメールが届いたのはマイナンバー的な制度がしっかり機能している世界なのかしら。
ケータイ端末を持ってない人にはさすがに届かなかったみたいですが。
あと、意外に、いわゆるガラケーみたいな、あるいはフィーチャーフォンとでもいうのでしょうか、スマホではない旧来の携帯電話みたいな形状の端末も使われていたので、別に日本のものが殊更にガラパゴスってわけでもなかったりするのかしら。

ドラム式洗濯機の奥が別世界への通路になるというのもおもしろい設定だと思いました。
特殊な設定(洗濯モードと回転数)にセットすると開くというのもいい感じ。
こどもが中に入って出られなくなるという痛ましい事故には気をつけねばですが、どのみちこの映画はR15+だったはずですし15歳以上ならそのくらいの分別はあるだろうってことでしょうかしら。

Le Tout Nouveau Testament

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神様ゲーム (講談社文庫)

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さよなら神様

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