孤独のススメ 感想
映画「孤独のススメ」を観ました。
4月9日、川崎チネチッタにて。
字幕版。
一人暮らしの敬虔な初老男性が、徘徊癖のある男性と知り合うお話。
あんまり「孤独」であることを「ススメ」られているようには見えませんでした。
かといって原題の「マッターホルン」では登山映画みたいだし、題名って難しいものですね。
作中でマッターホルンが重要な存在であることは間違いないのですけれども。
そういえばオープニングの、だだっ広い風景の中をバスが走っている向こうの空にタイトルが浮かび上がる演出が、なんだか素敵でした。
上記の通り、「孤独」というよりかは、性格の相反する二人の男性が共同生活するおもしろさみたいな面が大きいです。
亡き妻の服を着たりと女装要素もありますが、「リリーのすべて」や「彼は秘密の女ともだち」みたいな逼迫した必要性があるわけでもなく、コミカルな扱いのような気がします。
それでも外野からは好奇や奇異や侮蔑みたいな扱いを受けて心が痛いわけですが。
教会での毎週日曜日の礼拝の制度とか習慣みたいなものはよくしりませんが、そういう規律に厳格な地域であり、主人公の男性自身も元来はそういう厳格さを持ち合わせていたようです。
ただ、教会の教義に従って徘徊男性と親しくなってしまったがために、なぜか教会の規律に反してしまったような形になってしまったらしく。
難しいものです。
もう一人の登場人物で、主人公の家のお向かいさん且つ教会の関係者っぽいカンニング竹山さんみたいな人がまた複雑な立ち位置で、むしろこの人こそが「孤独」を体現しているのかもしれません。
とにかく、わかりやすい説明みたいなものはまったくなくて、本当に日常みたいな会話しかしないので、その会話からその人たちの関係を推察しなければならないという作りで、難易度でいえば難しい寄りながらも面白い体験でした。
This is my life.
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