弟の夫 2巻 感想

田亀源五郎「弟の夫」2巻、アクションコミックス

亡くなった弟のパートナーだったというカナダ人の男性が居候しているお話。

1巻の最後に登場したのは主人公弥一さんの離婚した元奥さんでした。
同性のパートナーに限らず、異性愛であっても必ずしも結婚がすべてではないというか、結婚したからといってうまくいくとは限らないというか。
他人と共同生活するのは難しい、と書くと悲観的に見えてしまいますが、そこまで悲観的なわけでもなく、決して険悪な別れ方をしたわけでもなさそうではあるものの、近づきすぎるといろいろと粗も目立ってしまうのか、人付き合いにもお互いを傷つけ合わずにすむような適切な距離があるよね、ということなのかもしれません。

娘の夏菜ちゃんがクラスメートを家に誘ったら、親から遊びに行ってはいけませんと言われたと断られてしまったり。
アクエーキョーってなんなんですかね。

声高に差別とか偏見を糾弾するわけではなく、淡々とした日常の中でふと「どうしてこうなってしまうのだろう」と素朴な視点で描かれるので、読者であるこちらも一緒になって「どうしてだろう」と考えるきっかけを与えてくれるのかもしれない、などと思いました。

「告白」と「カミングアウト」の違いがいまひとつぴんときていないのですが、「告白」は特定の気を許せる相手にだけ打ち明けることで、「カミングアウト」は相手を限定せずに堂々と胸を張る、みたいなイメージでいいのかしら。