ダンジョン飯 2巻 感想

九井 諒子「ダンジョン飯」2巻、(ビームコミックス)

ダンジョン探索の生存戦略のお話。

食べることは生きること、みたいな。(出典はよく知りませんけれども)

ダンジョンというある程度限られた生態系ではありますが、それゆえに、乱獲や外来種の渡来などによって生態系が乱れることに留意せねばならない、というのは納得しきりです。

生態系といえば、このダンジョンでは言葉を共有する多様な異種族が共存しています。

縄張り争いもあることでしょう。

最近、とあるネットでオークとエルフのたとえ話を目にして得心していたのですが、本書のように、オークとエルフとでは美醜の価値観が違うのだと言われれば、それもまたそうだよなあ、と納得してしまうのでした。

ちなみにネットで見たのは、オークの男女とエルフの男女がいて、オーク男はエルフ女に惹かれ、オーク女はエルフ男に惹かれるけれども、エルフはエルフ同士しか相手にしないのでオークは眼中に無く、オーク同士はお互いに嫌悪している、みたいなたとえ話でした。(意訳)

オークとエルフが何を暗示しているかは人それぞれに思い描くものが違うでしょうからご想像にお任せするとして、
オークとエルフの美醜感が似通っている世界は残酷といいますか、
オークにはオークなりの価値観を見出せればいいのでしょうけれども、なぜだか不思議と、エルフに惹かれてしまうもので。
世の中、難しいものです。



他の方の感想を読ませていただいて気づいたことですが、
センシさんは序盤から安易な魔法の使用を危惧していたのが、
巻末のエピソードでは、魔法で水の上を渡ることができてお礼を言うようになるという、
グループ内での和解というか距離が縮まった感じの変化が見られて、なんだかいいなあ、と思いました。

とはいえ、センシさんはトラップの火力なんかは積極的に利用するような柔軟さも持ち合わせてはいたんでしたね。そういえば。