トイレのピエタ 感想
映画「トイレのピエタ」を観ました。(6月27日分)
原作未読。
「ピエタ」とは聖母子像のことだそうで。
浄化と昇天。
静かな、淡々というよりも静謐とか厳粛みたいな形容が似合いそうな雰囲気を感じました。
絵そのものの迫力もさることながら、描く過程の激しさがすごいです。
パンフレットにあの絵が収録されているので嬉しい反面、盛大なネタバレですから、観賞後に読んだ方がいいと思います。
ぼく自身はクリエイティブではありませんが、「よいものを創ってさえいれば世間に認められなくても構わない」という考えに偏りがちな傾向はあります。
ですので、それを世間に広めようという人の存在はものすごく重要なのだろうとも思います。
具体的には鈴木敏夫さんをイメージしていますが、あの人が居なければ宮崎駿さんや高畑勲さんの才能がここまで知られなかったろうとも思うわけです。
とはいえ、本作の劇中に出てくる「あえて狙ってダサい格好」の人みたく、作品を見もしないで人格を否定するようなのは困りものですけれども。
あれだけの絵を描いても誰にも知られずに消え去ってしまうかもしれない。
ヘンリー・ダーガーも大家さんが発見してその価値に気づかなければ世に出なかったでしょう。
それを作者が望んだか否かはもはや知りようがないわけですが。
死が迫る中で創作に打ち込む充足感、生の実感が胸を打ちます。
極限的な、追い詰められた状況でこそ、閃光のような輝きを放つことがある。
それは、あるいは納期が迫らないとやる気が出ないとか、ギリギリ間際の修羅場感に生きてる実感を得るみたいなことかもしれず、すなわち、社畜とはクリエイターであるのかもしれません。
RADWINPS さん、一時期ものすごく売れていたみたいで気になっていましたが、いつだかのサッカー中継のテーマ曲か何かで使われてたくらいしか知らないような気がします。
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