トゥモローランド 感想
映画「トゥモローランド」を観ました。
トゥモローランド|映画/ブルーレイ・デジタル配信|ディズニー|Disney.jp |
2D吹替版。
藤子F先生の『大予言』をベースに、その対策案を検討しましょうというようなお話に見えました。
ある意味では『老年期の終わり』の要素を見ることもできそうです。
世界は終局へ向かってまっしぐらだと既に散々喧伝されているにもかかわらず、それを真剣に受けとめることができているのか。
自省を促されます。
純朴な発明少年が、ファムファタルにたぶらかされて、やがて、やさぐれたおっさんへと堕落してしまうあたりに、時の無情を感じます。
世界は残酷です。
夢や希望に満ちた少年少女も、いずれは現実の壁にぶつかって、夢破れ希望は打ち捨てられて、平凡な日常に折り合いをつけていく。
それではダメなのです。
エントロピーは常に増大していくのです。(よくわかってない)
世界を破滅から救うには、革命的な意識の改変を要します。
エッフェル塔がぱかーっと割れてロケットの発射台になるみたいな、ロボットアニメでもかくやみたいな、イマジネーションこそが肝要です。
エッフェル、テスラ、ヴェルヌ、エジソン。
想像力と創造力。
政治や経済の制約から解き放たれて、純粋に、想像力/創造力を発揮することができるとしたら。
それはあまりにも無邪気な、幼稚な空想ではあります。
現実的には科学技術も美術芸術も、政治経済の後ろ盾があればこそ成立発展してきたはずです。
しかしそれでもなお。
純粋に人の叡智を結集することができるのならば、あるいは、この惑星を少しでも延命することができるのかもしれません。
本作で描かれる「トゥモローランド」は、1960〜70年頃に思い描かれていた、今となっては「懐かしい未来」の具現化です。
あの時代のSFが描いてきた未来のうち、実現したものもあるでしょうし、違う方向へ発展した技術もあるでしょう。
あの頃描かれた世界がそのまんま現実化するとは限りません。
けれども、誰も想像しなければ現実にはなり得ないのです。
想像は現実を引き寄せる誘引力があるわけです。
白い犬と黒い犬がいて、どちらが勝つか。
それは飼い主が餌を与えたほうなのです。
良い未来と悪い未来がある。どちらが勝つか。
より多くの人が望み、思い描く側です。
選択権は常に、そのときそこに生きているすべての人に委ねられています。
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