弱虫ペダル Re:ROAD 感想

映画「弱虫ペダル Re:ROAD」を観ました。(6月13日観賞分)
TVアニメ「弱虫ペダルRe:ROAD」公式サイト

原作、テレビシリーズとも、このあたりは未読・未見。

インターハイ3日目、最終決戦。
熱いです。

回想を交えながらメンバーが次々に脱落していく様子は、ガンダムシリーズみたいなロボットものの最終局面でもあるかのようです。

もしくは打ち上げロケットの切り離し噴射みたいな。

これまで先頭を走って背負ってきたものを次の世代へ託していく、という場合、リレーのバトンタッチや駅伝のたすき渡しにたとえられそうです。
しかし、リレーも駅伝も、その時に走るのはチームの中から選ばれた1人だけで、バトンの継承はルールに則したものにすぎないという面もあります。

しかし、この作品で描かれる自転車競技は6人で1つのチームを構成し、先頭に立ってチームを引っ張る役割をメンバーが交代交代で担います。
縦列で走行することで先頭の1人の負担は大きくなりますが他の5人は力を蓄えることができる、みたいな理屈だったと思います。*1

通常であれば、先頭の人ががんばって、疲れたら交代して後ろにつけばいいだけです。
順繰りに交代していけば、脱落とはいってもリタイアするほどにはならないはずです。

が、過酷な三日連戦という日程の最終日、疲労の蓄積も厳しい上に、最終的な勝敗を決定づける負けられない戦いであるわけで、文字通りに最後の力を振り絞ることになります。
限界ぎりぎりまで力を尽くし、尽き果ててしまえば後続として後ろからついていくことすらままならなくなります。
ただそこまで積み重ねてきた気持ちを、誇りを、意地を、熱量を、次のメンバーへと託していきます。

それはもはや、宇宙戦争でロボットを操るパイロットさんたちが次々と散っていく姿と、重なるように思えました。
壮絶です。

スポーツを血と汗と涙の結晶みたいな表現をすることがありますが、まさしくそんな感じ。
顔を流れるのが汗なのか涙なのか、見分けがつきません。


ただひたすら勝負勝負が続く展開は、熱くて濃厚ではあります。
そしてまたそれが泣けたりします。
広島・呉の人たちも、
御堂筋くんも、
箱学の皆さんも、
田所さんも金城さんも巻島さんも鳴子くんも今泉くんも。
とくに、荒北さん、鳴子くん、御堂筋くん、あたりの流れは、涙腺がボロボロになりました。

荒北さんはほとんど主人公といってもいいのではないかという破格の厚遇でしたし、
鳴子くんのアレはなんというか、もう無理すんな、って感じでした。
御堂筋くんについては、ママさんとのエピソードが断片的に映るだけで少し残念でもありますが、逆にその背景への想像が膨らんでいくようで、坂道さんとの対比も合わせて、いやはや、すごい。

とはいえ、そればっかりだと一本調子になりそうなわけですが、
そこへ新作パートと思われる別時間が挿入されたことで緩急が生じて、感情が奇妙な起伏を描いていました。
泣けばいいのか笑えばいいのか、こんなときどうしたらいいのかわからないの。

夏の劇場版は熊本編みたいですが、呉の人たちと一緒に活躍していた熊本の人も出てくるのかしら。

あと、まったくの余談ではありますが、個人的に(ハンドルネームの都合上)、フクちゃんフクちゃんと連呼されるのは困惑するしかないのでした。


*1:ただ、集団が大きいほど速いという理屈はよくわかりませんでした。パーマンさんが手をつなぐと速く飛べたりシドニアの掌位みたいな感じなのかしら。