博士と彼女のセオリー 感想

映画「博士と彼女のセオリー」を観ました。

字幕版。

原題:The Theory of Everything

ホーキング博士のお話ということで、宇宙物理学方面に踏み込んだお話かと思いきや、珍しく、日本語題の方が内容に合っていそうなお話でした。

男女の心理的な駆け引きというのは、たいへんだなあと思います。

ジョナサンさんがいい人なだけに、つらい。

エレインさんのほうは、えー?、っていう驚きでした。

ペントハウス誌おそるべし。

チューリング博士のと続けざまに観てしまったので、こちらではジェーンさんの役割が介護に徹していたように見えてしまったのは残念かもしれません。

事実とは違くとも、言語学を活かして博士とコミュニケーションをとる姿とかをもっと見たかったように思います。

ジョナサンさんをお招きした際に、通訳するかのようにホーキング博士の話を解説できるくらいの理解者だったという、あのあたりの幸せな感じが、ずっと続いて欲しかった。

幸せとは儚いものです。

幸せなんてものは、その人の受け止め方次第であって、本人が幸せかどうかなんて他人には判断し得ないのかもしれませんけれども。

ホーキング博士は全部わかっていて自分から身を引いたようにも、見えなくもないといいますか。


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イギリスの人、という大雑把なくくりでいいのかわかりませんけれども、登場する方々が皆さん、顔立ちが端正というか、造型が綺麗というか、立ち姿もすらーっとしてるし、服装も大体ぱしっとしてて、ホーキング博士の服装ですらしゃんとしてるように見えて、すごく素敵で惚れ惚れします。

その上で、以前テレビか何かで見たことのあるホーキング博士の姿そのまんまのような、演技なのでしょうけれども、本当に成りきっている姿は、凄絶なまでの迫力を感じます。

色合いなのか光の加減なのか、画面が落ち着いているような、上品な感じがしました。

正直なところ、宇宙の起源とか時間の発端とかのお話は難しくて、昔、放り投げて以来なのですが、この映画では、なんかすごい理論を打ち立てたっぽい、くらいに受け止めておけばいいのかしら。

むしろ、友人さんたちとか教授の方々とか、もちろんジョナサンさんもが、病気のことは気にしていないというか、配慮はするものの、決して重荷として扱うわけでなく、ひとりの才能として敬意を払っているあたりの、それが「当たり前」であるような振る舞いが、いいなあと思います。

伴侶となったジェーンさんや子どもたちにとっては、そんな綺麗事では済まないでしょうけれども。

ジェーンさんがやつれていくのは見ていてつらかったですし、そうなっても仕方ないみたいに納得できてしまうのが、尚更に悲しいです。