シンデレラガールズ 3話までの本田未央さん

余所様の感想に難癖つけるのも恐れ多いですが、未央さんがいらないとまで言われてしまうと、何とか反論したくなるものの、文字数のある媒体では書ききれない気がするので、つらつらと思いつくまま書き出すなど。



なお、前川みくにゃんさんの描写に一貫性が感じられないという点については、異議無し。


1.本田未央さんの役割について

前提として、ゲームでの設定とかは考慮せずに、アニメの1〜3話の描写だけから読み取れる範囲で考察する、とのこと。

であるならば、未央さんが元気系のムードメーカーで、沈んだ場面ではチームを引っ張っていく存在であるべき、という部分もゲームでの印象から来る先入観ではないのかしら。

アニメ内での描写が少ないのは確かで、なんだかわからないうちに卯月さん凛さんに加わって予め3人組であったかのように振る舞っていますが、
だからこそ、3話の未央さんの姿こそが、
初舞台を直前に控えて無口に黙り込んでしまう臆病さこそが、
このアニメで描写された/されるべき未央さんの性格だということになるのではないでしょうか。

芸能界に踏み込んだばかりの、何も知らない新人だからこそ描き得た未熟ゆえの緊張感。

準備不足であることはプロデューサーさんも承知していたわけで、
万全のレッスンを積んでからでは描くことはできない描写だろうと思います。

卯月さんとか凛さんとか、あるいは別のキャラクターでもいいのではないか、とも思えますが、
一見、元気系に見える未央さんが実はこれほど繊細な面も持ち合わせているというのは、類型的でない、未央さんならではの独自性だとも言えるのではないでしょうか。

まだ3話、「まだ早い」のです。

むしろ、これからの成長、伸び代を期待できるだろうと思います。


2.「成功」だったのか?

電撃オンラインの鳥羽Pのインタビューでも示唆されている通り、
3話のステージを単純に「成功」と受け取っていいものかどうか、検討する余地はあると思います。

うづりんみおの3人は、あくまでバックダンサーに過ぎないわけです。

それも美嘉さんの1曲だけ。

もちろん大きな失敗もなく、大歓声に迎えられたことで、それなりの達成感はあろうと思います。

ただ、あのステージの主役は、美嘉さんをはじめとする5人の先輩方のものでした。

初舞台の緊張で萎縮していた3人をほぐし導いたのも、先輩方でした。
(プロデューサーさんの入れ知恵はあったにせよ。)

あの大歓声は、うづりんみおの3人に向けられたものではなく、「成功」に見えるのは先輩方の力であって、うづりんみおの実力だとは思えません。

序盤で大して準備もせずに成功したわけではなくて、先輩方の力を借りてアイドルとはどういうものかを仮体験させてもらったようなものではないでしょうか。

うづりんみお3人だけのステージであれば、その内の誰かが打開する役割を担うことになるかもしれませんけれども、
この「シンデレラガールズ」の346プロには頼れる先輩も、さらには舞台を支えるスタッフも大勢いるわけで、
必ずしも3人の閉じた関係だけで解決しようとする必要はないわけです。

「アニメアイドルマスター」の765プロよりもはるかに大きな「組織」が機能しているようにも、3話までの段階であれば、見ることができた気がします。

頼れるところは頼っていい。

そんな中で、うづりんみおも個々に成長していく姿が描かれて、3人だけの単独ライブを開催するまでになれば、物語としては十分にダイナミックになるのではないでしょうか。

その時に、未央さんが前面に立って牽引していく位置に居たらいいなあ、と思います。

(ゲームの話を持ち出すと、「ミツボシ☆☆★」という、うってつけの持ち歌もありますし。)


3.まとめ

長くなりましたが、まとめると、

  • 1.未央さんはアイドルに憧れて入ってきたばかりの新人で、だからこそ初舞台の緊張感に押しつぶされそうになる繊細さを描くことができた。

従って、未央さんは必要。

  • 2.3話のステージは美嘉さんたち先輩のものであり、うづりんみおの実力で勝ち取った成功ではない。

序盤の段階では3人の閉じた関係だけで解決する必要はなく、経験豊富な先輩方やスタッフに支えられた組織をも描いている。
3人が成長を経た後、改めて、3人が主役を張るステージが開催され、今回と対比されると期待したい。

と、思います。


4.4話視聴後の雑感

主役となる「シンデレラプロジェクト」の14人については事前に公表もされていたわけですが、
ゲームと切り離して見ると、やはり多彩というか、異様ですね。
イロモノ感が強烈です。

うづりんみおを除く11人については、おそらく、ゲームと切り離して見るのは難しくなるのではないかしら。

とはいえ、200人近くの中から選抜されたからには、それなりに個別の物語に勝算を見込んでいるのでしょう。

卯月さん凛さんはおそらく正統派一直線、そこには未央さんや、もしかしたら前川みくにゃんさんも加わるかもですが、それとは別に、イロモノならではの物語も用意されていると見るべきでしょうか。

おそらくそれは、1話で見せたような、繊細で丁寧な作品だけにはとどまらず、ある程度はっちゃける可能性にも心構えしておくべきかもしれません。

多田李衣菜さんは木村夏樹さんと仲良くなるかもしれないし、神崎蘭子さんには二宮飛鳥さんが組むかもしれない。

アニメ単体だけでは収まらず、ゲームのネタと連動することもあるかもしれません。

そういえば既に、番外編ボイスドラマとして「NO MAKE」と「まじあわ」がゲーム内で配信されていて、本編のその後みたいな部分も描かれているので、ゲームを分断して考えても徒労に終わりそうな危惧もあります。



アイドルの姿をまっすぐに(真実味とか現前性みたいな意味での)リアリティを持って描こうとすることと、
まるでイロモノのようにキャラクターの性格の方向性がことごとくバラバラな、リアリティとは異なる属性的記号的なシンデレラプロジェクトのメンバーとは、
あまり相性がよくないのではないかとの疑念は未だにくすぶっています。

キャラクター性、記号性で構成される二次元データの集合が、
生身の人間であるかのような生命感を発することができるか、という方向へ行くといいな〜、と期待します。

4話では、346プロの大人はほとんど描かれていなかった気がします。

クロスを振る美波さんに野次馬が拍手を送ってたくらい。

廊下とかにチラホラいても、積極的に関わってくることもなさそうです。

ちょっと整理しきれていませんが、ひとまずここまで。

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