思い出のマーニー(2回目)

映画「思い出のマーニー」を観ました。

2回目。

まず訂正です。
前回、「大すき」を頻発しすぎみたいに書きましたが、そんなことありませんでした。

けっこう重要なポイントでだけ、言っていたようでした。

ただ、「ふたりだけの秘密」だとか「他の人には内緒」だとか「永久の約束」だとか、違う言葉ではいろいろと言っていた気がします。

全然秘密になってない、というのはまあ、しゃーない。



いいな、と思ったのは、暗闇から急にぱあっと明るくなる場面とか、吹き荒れる嵐とか、天気天候全般。

人物の心情どうこうとの関連までは結びつけられませんでしたが、お話としての盛り上がりは抜群だと思いました。

あと、細かいことですが、ハガキに横書きというのがなんだか今風なのだろうなあ、とか。

冒頭の公園で絵を描いていて、先生から見せてみろと言われたときの杏奈さんの反応も。
あれ、ほんとは見てもらいたかった感じですよね。



絵的に気になったのは、人物の影の塗り方です。

俗に「アニメ塗り」とか呼ばれていそうな、本来同じ色の部位(顔だの髪の毛だの)を明るい部分と影の部分と2色で塗り分ける方法です。

(日本の)アニメーションの陰影の付け方としてはおそらく一般的で、陰影が無いよりはあったほうがいいのでしょうけれども、
この映画の場合は背景美術が凝りに凝っていて繊細なだけに、人物の側に違和感を覚えてしまうのかもしれません。

キノコ狩りの場面あたりは顕著だったように思います。

森の中であの光の散乱具合なのに、人物の影はそんななの?、みたいな。

なんかもっとこう、木洩れ日の加減とかあってもいいのに、とか偉そうにも思ってしまいました。

おもひでぽろぽろ」あたりでも言われていた、アニメーションを写実に近づけていこうとしたときの限界なのかもしれません。

全部の場面に気を配れみたいな無茶をいうつもりはありませんが、中盤のかなり重要な告白場面で、顔(表情)のどアップだったりしたものですから、もうちっとこう、なんとか。



月の欠け方ってあんなふうに影の部分が円になってるとは思えない、とか、
わりとどうでもいい細々した部分に文句をつけたくなってしまうのは、
それだけ作品全体の出来は素晴らしいということだと思います。

新訳 思い出のマーニー (角川つばさ文庫)

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