スイートプールサイド
映画「スイートプールサイド」を観ました。
原作未読。
毛のお話。
思春期の女子の人にとっては深刻な死活問題なのだろうと想像するに、女子の人ってたいへんだなあと敬意を抱かずにはいられません。
主人公は、高校生になっても毛が生えていないという純朴な少年。
しかしアレはいじめなんて生易しいものでなくもっと深刻な事案だと思いますけど、それが笑って済まされるあたり日本の学校教育の闇感。
とはいえ、主人公くんは被虐待生というわけではなく、それなりに好意的に受け容れられている模様。
とくに後ろの席の女子の人からからかわれる様子は、まさしく「からかい上手の高木さん」を実写にしたかのよう。
うらやま……、とは後半の展開を観ると言えなくなりますが。
そんな主人公くんが、同じ水泳部の女子の人から、腕の毛が濃くて悩んでいるのだが剃ってもらえないか、と相談され、引き受けることに。
高校の水泳部って更衣室男女共用なのかしら。
水泳部なだけに、すく水というより競泳水着様の形状で、水着ふぇち感は薄めかもしれません。
が、高校生の女子の人の腕毛やらすね毛やら、はては腋毛やらまでを晒す姿は、ひたすらえろくなまめかしい。
白い泡を塗りたくって安全カミソリを滑らせるのは、ものすごく官能的です。
おまけに、そのときの主人公くんの内心を、森林を探検するかのような描写で表現していて、なんだか楽しいです。
それにしても、川辺の橋の下で剃毛とか、かなり高度なぷれいだと思いますけど、それでも男女の仲は進展しないあたり、高校生の心理というのは複雑ですね。
「からかい上手の高木さん」を読んだときにこうなってほしくないと危惧したような展開で胸が痛いです。
産毛が最大の難関だったとは。
主人公くんの毛ふぇちっぷりは堂に入ったもので、ちょっと引きます。
無毛もこじらせるとあんなことになるのか、みたいな。
序盤から中盤にかけては、よくいるごくフツーの人畜無害なDTという感じでしたが、終盤はこれまた定番ながら人が変わったかのように荒れ狂ってたいへんなことに。
抑圧してきた感情が暴発するというのはやはりそれなりに盛り上がるものですが、やりすぎるとやはり引きます。
温厚な彼氏が一転してDVとか、ひどいものです。
(劇中の主人公くんが手を上げたわけではなかった、はず、だとは思いますけれども)
あと若い教員志望の学生さんというのもたいへんな立場だなあ、みたいな。
※ただいけ、ではあるのでしょうけれども、よほど自制心がないとやっていられなそう。
うちの近親には教職関係もちらほらいるのですが、自分にはまず無理だと思います。
そんなこんなで「剛毛パスタ」の名前ばかり先行していたような気もしますけれども、わりかし真っ当な思春期もののような気がします。
あ、一部グロというかリスカ描写があるので、痛いのが苦手な方は要注意。
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