瀬戸内海賊物語

映画「瀬戸内海賊物語」を観ました。

村上海賊の娘」(未読)かと思いきや、全然違うお話のご様子。

瀬戸内海は小豆島近辺を舞台に、現代の小学生が村上水軍のお宝を探して大冒険なお話です。

いたって健全なごく普通のありふれた昔ながらのジュブナイル(?、児童向け冒険ものという意味合いと思っていましたが、原義は違うのかしら)なのですが、主人公さんが女子児童さんということもあり、歪んだ目には、小学生は最高だぜ、と映ってしまうので危険です。

女子2、男子2、という組み合わせですが、主導権は圧倒的に女子側が握っているのが、昨今の潮流でしょうか。

主人公格のかえでさんがとにかく元気溌剌、衝突することもありますが、大きな駆動力になっています。
あと、華奢な肢体が妙にえろいです。

いまひとりのヒロイン、あいこさんは、周囲よりも少しばかり発育がいい方向で、既にすいーつ(笑)系恋愛脳も発露しつつある感じ。
大人びていて、これまたえろい。

はじめは、かえでさんのグループと対立する女王様的存在でしたが、やがて寝返る典型的な展開。
小学生にして女子グループの勢力争い、恐ろしい。

一方で、あいこさんは体育会系のまじめで一本気なところもあったりして、中盤以降は不可欠の存在になっていきます。



男子については、
まず、まなぶさんが、好奇心旺盛ないわゆる「ハカセ」とか「ガクシャ」とかラベリングされる系統。

メガネで背が低めで丸っこい体型な彼にとっては、女子の人たちと対等に過ごせた貴重な時間だったことでありましょう。



もうひとり、ふゆきさんは、(作中で転入の様子などが描かれてはいないものの)、どうやら島外からの転入生なご様子。

少しばかり空手を嗜んでいたようで、アクション要素を一手に引き受けます。

あれは惚れる。

外観的な要素もあいまって、女子からの注目を集めていそうな感じですが、おそらく(直接的な描写はなかったと思いますが)、ふゆきさんはかえでさんを気にしているように見受けられます。

小学生だから仲良しこよしできていますが、将来間違いなくどろどろする雰囲気。

P.A.ワークスとかあんな感じ。

エンディングでみんなが一緒に居ないあたり、示唆的です。

まなぶさんとふゆきさんのほもぉ疑惑は深刻。



そういえば、ふゆきさんが居なかったら、かえでさんはまなぶさんだけと連んでいたかと思うとそれはそれで複雑怪奇ではあります。



冒頭で昔ながらのジュブナイルと書きましたが、子どもたちだけでの危険と隣り合わせな大冒険というのは、近年ではあまり見かけない部類かもしれません。

ダンジョンの仕掛けも凝っている上に、前振りも効果的に作用していて、なかなか楽しめます。

子どもたちだけなのに危なすぎ、とは思いますが、こういう冒険に胸を躍らせるどきどきわくわく感を渇望しているのも事実だろうと思います。

たぶん漠然と「ジブリ」というブランドに求めてしまうような、夢と希望と憧れの物語。
(かといって、一方で大人の世界は現実的で狭苦しくて世知辛いという部分もけっこう織り込まれていて、無邪気で脳天気な冒険活劇だけではないのですが。)

いくらなんでも、水、浅過ぎ、とは思いました。

DQNのお兄さんも、良いアクセントでした。