娘の家出 1巻 感想

志村貴子「娘の家出」、1巻(集英社)

両親が離婚したり再婚したりなお話。

お話の並びが時系列順ではないのでややこしい部分もありますが、わからないほどではない模様。
太めの男子を好む女子の人なんて、実在するものなのかしら。(※ただし、……)、ってやつかしら。

そんな稀少種っぽいヒロインさんを中心にしつつも、その周囲の人たちそれぞれが持つお話が展開されていきます。オムニバス短編集的とも言えるかもしれません。

そんなわけで、ヒロインさん自身もわりと複雑な環境に居るのですが、ヒロインさんの同級生さんたちもなかなか複雑そう。
放浪息子」のあんなさん系な、ぱっちりややつり目な美人さんも家庭の事情を抱えているみたい。

糸目さんの事情もまた、複雑です。
こういうのがさらりとあるから怖いです。このようにして搾取されていく構造社会。

ヒロインさんの母親の再婚に際して、娘さんが新しい父親にへんなことされてないか?、みたいなのも含めて、搾取が当たり前に横行しているかのようで、(余計なお世話ながらも)女子の人を取り巻く環境の苛烈さを心配せずにはいられません。

こんな現状では、「劣悪な表現」を規制したくなるのも、むべなるかな。

ところで、この糸目さんの描写は「虐待の記録」に含まれるのかしら。不勉強なもので、よくわかりません。