増補エロマンガ・スタディーズ 感想

永山薫「増補エロマンガ・スタディーズ:「快楽装置」としての漫画入門」、ちくま文庫

まんがの歴史の概略。

まんが媒体を伝達する遺伝子「ミーム」を軸に、誕生から拡大、発散の過程を辿ります。

黄色い楕円が当たり前のような認識でしたが、その背景にはいろいろと複雑な事情があったのだなあ、と知りました。

劣悪な表現など排除してしまえ、と叫ばれる昨今、ますます、まんが媒体の立場は苦しくなっているみたいです。

具現化したものは、より過激で刺激的な方向へ拡大していく流れは避けられないでしょうから、「見たくない人」には見えないようにする自衛努力も必要なのではないか、と考えてしまう自分は日和っているのかしら。

かといって、検索エンジンでも検索できなくなるほどの不可視化は、存在を抹消されるのとほぼ同義ですから、あまりに極端なのも困りものです。

規約に違反したとはいえ唐突にブログが凍結されたりだとか、何かに怯えて発言を制限される社会って怖いなあ、と思う反面、あまりにも無思慮で野放図なのも嫌なので(感情論)、
節度って大事よね、みたいな玉虫色の結論に陥ってしまうあたり、我ながら飼い慣らされているなあと嘆息。

政治って難しい。