メルカトルかく語りき 感想

麻耶雄高「メルカトルかく語りき」 (講談社文庫)

銘探偵メルカトル鮎さんの活躍を描く、短編集。

ノベルス版既読。

メルカトルかく語りき (講談社ノベルス)

メルカトルかく語りき (講談社ノベルス)

「死人を起こす」

一年前に墜落死した同級生の死因を掘り起こそうとするお話。
これはでっち上げと言われてもしかたないのではないかしら。

「九州旅行」

メルカトル鮎さんの相方であるところの美袋三条さんの自宅の隣室で生じた事件のお話。
アリバイ工作の途中に出くわしてしまうというのが肝でしょうか。
オチがひどい。

「収束」

倒叙ものかつ絶海孤島もの。
容疑者は絞り込めたものの、次の事件が起きなければ犯人を確定できない、というのは、銘探偵さんとして容認できることだったのかしら。

あと、猫ってなんのことなのかしら。

「答えのない絵本」

学園もの。
実はよくわかっていません。
論理とはいったい。

最近の魔法少女といえばロジカルロジカルですね。

「密室荘」

密室の別荘にて、探偵さんと助手さんと、死体がひとつ。
発覚しなければ事件ではないのかもしれませんが、だからといって、うーむ。

セメントを固めるのは、メルカトル鮎さんは自分でやったりしなさそうですし、美袋さんのお仕事になるのかしら。

そんなこんなで、軽妙な会話と緻密な論理で構築された、飛躍的な超越が楽しい一冊なのでした。