AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜 感想
田中ロミオ「AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜」、ガガガ文庫
劇場版が不完全燃焼だったので再読。
以下、劇場版のネタバレあります
やはり地の文は大事です。
主人公の、経験からくる冷静な状況把握があってこそ、困難であってもなんとか乗り越えられたという説得力につながっているのではないかしら。
妄想戦士たちの存在も大事。妄想戦士がどういう存在で、主人公や佐藤良子さんがどういう立ち位置なのか、映画ではわかりにくかった気がします。
そういう意味では、原作の席替えの場面は巧妙です。
グループ分けを明確にすることで、カーストの上下関係をはっきりと印象付けています。
このあたり、映画ではあっさりと処理されてしまっていて、(たしか、ドリセンが勝手に振り分けたみたいな展開)、グループの意味合いが視聴者に伝わりにくいと思います。
保健室の養護教諭の存在も大事。
すっかり忘れていましたが、原作を読み返したら超重要人物じゃないですか。
キーアイテム「竜端子」の説明のためにも必要でしたでしょうに。もったいない。
クイーン大島さんの存在も大事。
映画でも、佐藤良子さんと同じくらいには丁寧に美人さんとして描かれていましたが、映画ではそもそも名前を呼ばれていた記憶がなく、(名前を忘れていたので聞き逃しただけかもしれませんが)、ただの悪役になってしまっていた気も。
クイーンとして君臨しているだけの魅力が、映画には足りなかった気がします。
尾崎さんも大事。
貴重な一般人の反応が、原作ではしっかりと描写されていました。
映画でも机を離したりという描写はありましたが、あんまり印象には残らなかったかも。
子鳩さん大事。
映画でもその良心は遺憾なく発揮されていましたが、映画では時折読んでいる本についての言及がなかったのは残念。
うーむ、やはり原作おもしろい。
あ、感想サイトで見掛けた、「実写でやれ」というのは観てみたいと思いました。
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