小説仮面ライダーW〜Zを継ぐ者〜 感想

三条陸「小説仮面ライダーW〜Zを継ぐ者〜」、講談社キャラクター文庫

TV番組「仮面ライダーW」の脚本家さん自ら書下した番外編です。

「B」と「Y」の間にあたるお話のご様子。
「エクストリーム」に変身できるようになって以降の時系列です。

風邪に倒れた左翔太郎さんに代わってフィリップくんが探偵として依頼を解決しようとする展開で、TV本編ではなかなか描かれなかったフィリップくんの一人称で進むのが新鮮ではありますが、そのお話は紛れもなくWの壮大なお話の一部として機能しています。

「サイクロン!」「ジョーカー!」
と、ガイアメモリの声が聞こえてくるかのようです。

陰謀渦巻く資産家一族が相手という、いかにも探偵小説といった舞台設定なのも素敵です。
依頼人であるお嬢様と、反目する一族、事件の発端となる脅迫者、意外な犯人、と探偵小説の書式に則った構成で、そこにガイアメモリを扱う「組織」が絡んできたりもしますが、犯人当ての部分に関してはかなり公正なのではないかしら。

亜樹子所長をはじめ、アクセルさんも翔太郎さんも活躍して、あぁぼくはやっぱりW の雰囲気が大好きだな〜、と再確認したのでした。