追想五断章 感想

米澤穂信追想五断章」集英社文庫

亡くなった父親の遺した小説の断片を探して欲しいと依頼された、古書店居候さんのお話です。

探すべき断章は、結末をはっきりとは示さないリドル・ストーリーになっているのですが、別のところから結末だけが見つかります。
この、断章の結末の扱いがお話の鍵になります。
いやあ、怖い。

それとは別に、古書店に居候する主人公の内面にも向かっていきますが、こちらはなんとも苦い感じで、この作者さんお得意の感じ。

ともあれ、五つの断章に込められた、父親の複雑な想いに、複雑な感想を抱かざるを得ないのでありました。

追想五断章 (集英社文庫)

追想五断章 (集英社文庫)