神様ゲーム 感想

麻耶雄嵩神様ゲーム講談社ミステリーランド

10才の小学生が主人公の、推理もの。

神様を名乗る同級生を軸に、物悲しい事件が綴られます。
神様の言うことに間違いは無く、神様の言うことは絶対であるという「ゲーム」に、主人公くんは翻弄されていきます。
そして訪れる結末に、読者の頭は混乱します。

麻耶雄嵩さんの著作にはいつも混乱させられます。
いったいどういうことなのかしら……。
なんとも後味の悪い、苦い事件でした。

主人公くんたちが好きな戦隊もの、「ラビレンジャー」も、重要な役割を担います。
変形合体するジェノサイドロボといい、ネクロフィリアロボといい、ネーミングがなんとも邪悪です。
それがまさかあんな展開になろうとは。

結局のところ、神様を名乗る少年鈴木太郎くんが、ほんとうに神様なのかは、作中では明言されません。
ただその在り方、言動から、信じざるを得なくなります。

とすると、この結末はいったいどういう意味なのか……。
謎は深まるばかりです。

いちばんの謎は、このミステリーランドというシリーズが児童向けらしい、ということなのですが。