ステキな金縛り

映画「ステキな金縛り」を観ました。

とある殺人事件をめぐる、法廷サスペンスです。

被告人のアリバイ証言について、弁護側の証人喚問で、ちょっとしたトラブルが生じます。

前代未聞の証人の存在は、法廷を揺るがすような大騒動へと発展します。

冴えない弁護士さんと一風変わった証人さんとが織り成す、不思議な裁判闘争のお話です。



このお話の魅力は、個人的には、弁護士さんと対立関係にある検事さんだろうと思います。

検事さんが、この検事さんであるからこそ、裁判が裁判として成立できたのではないかと思います。



反面、冷静になってみると、中心となるはずの殺人事件については、なんだかいまいち感も。

倒叙的に、冒頭でなんとなく描写されてはいるものの、事件関係者の人物像がいまいち掴めないまま、怒濤のような解決編にのみこまれてしまったかのようです。

事件関係者の大袈裟なお芝居は、その人物描写の弱さの裏返しだったのかもしれません。

とはいえ、鑑賞中は、証人さんやその周囲の巻き起こす大騒動に大いに笑わせてもらいましたので、そんな些細な不足は気にもなりませんでしたけれども。



そんなこんなで、2億円が足りなくてちゃちな舞台装置しか用意できなかったとは到底思えないような、立派な法廷劇でありました。