古代ギリシャ展
国立西洋美術館「大英博物館 古代ギリシャ展」へ行ってきました。
『究極の身体、完全なる美』をテーマとした展覧会です。
入口でオリュンポス12神の解説があるなど、ギリシャ神話を題材にしたような作品から、古代ギリシャの人々を写し取ったような作品まで、様々です。
ギリシャ神話について、断片的にしか知識がないので、体系的に身につけたいという気持ちが強くなります。
主な展示品として、壺などの表面に描かれた絵画的なものと、大理石やブロンズなどの立体像とありまして、どちらも、史料的な価値はたかいのでしょうけれども、観賞して圧倒されるのはやはり立体像のほう、とくに等身大に近い大きな作品は、やはり迫力が違います。
本展覧会の目玉となっている《円盤投げ》など、肉体の描く曲線と、発達した筋肉の充足感に、静止像ながらいまにも動き出しそうな躍動感を感じるほど。
立体像については、原始的で抽象的な像から、
理想の肉体美を浮かび上がらせる《円盤投げ》のような像を経由して、
個性を重視する写実的な像へと、変遷していく様が、わかりやすく展示されています。
常設展ではロダンの作品も見られるので、近代に至るまでの立体像を連続的に楽しめます。
ただ、現存するのは、古代ギリシャ時代のものをローマ時代に複製したものがほとんどらしく、年代の前後関係はややこしい感じもあります。
《円盤投げ》をはじめとする、オリンピック種目についてもわりと詳しく解説されています。
解説ビデオでは、全裸で徒競走するという映像の限界に挑んだかのようなものまで観ることができます。
そんなこんなで、理想的な肉体美ばかり見せられると、自分の貧相な身体もなんとかしなくちゃ、などと思ったりしてしまいます。
思うだけですが。