上橋菜穂子「流れ行く者 守り人短編集」(偕成社)を読みました
軽装版です。
「浮き籾」「ラフラ〈賭事師〉」「流れ行く者」「寒のふるまい」、4編の短編集です。
まだジグロさんと一緒に旅しながら生活していた頃のバルサさんと、その頃のタンダさんが描かれています。
「浮き籾」
浮き籾と呼ばれたはぐれもののおじさんを巡るお話を通して、まだ幼いタンダさんとバルサさんの微笑ましい交流が描かれます。
「ラフラ〈賭事師〉」
「天と地の守り人」で、ちらっとだけ触れられた、バルサさんと賭事師さんとの交流のお話。
賭事師さんの生き様に、ほろ苦いものが残ります。
「流れ行く者」
隊商の護衛をするジグロさんとバルサさんのお話。
これまた、護衛士としての後のバルサさんに、苦い記憶として重くのしかかるであろうと思われます。
「寒のふるまい」
タンダさんの姿を通して、ジグロさんとバルサさんの帰還への期待が高まります。
というわけで、幼いバルサさんとタンダさんのほのぼのかと思いきや、思いのほかに重く苦いお話が多くて、「守り人」シリーズの世界がより深まったようでした。