テルマエ・ロマエ?

ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」1巻（エンターブレイン）を読みました

帯の紹介文そのまんまなので、まるまる引用します。

『古代ローマの男、
現代日本の風呂へタイムスリップ！！
そこで目にした日本の風呂文化に驚愕した彼は…！？』

『古代ローマの設計技師（風呂限定）ルシウス。

仕事熱心な彼は浴場のアイディアについて悩みまくり、そのあげく現代日本の銭湯にワープ！？

彼は日本と古代ローマ（風呂限定）を往来できる体質になってしまったのだ！！

好漢ルシウスの時空を越えた大冒険（風呂限定）が始まった！！』

引用ここまで。

古代の人が現代に紛れ込んで、珍妙な文化や道具や機械や設備に驚く類型のお話なのですが、

このお話の主人公・ルシウスさんは技術屋さんなので、現代日本の風呂文化から、様々な技術や文化を独自に解析して、古代ローマに再現／再構築しようとします。

言葉も通じない未知の異文化において、それでも真摯に技術と向き合い、少しでもより良い技術を学び取ろうとする姿勢は、まさに技術屋さんのお手本のようです。

なかなか難しいことだと思いますが。

そんなこんなで、銭湯から始まり、露天風呂、家庭風呂、TV付きシステム風呂、オンドル、と、多様な風呂が登場しつつ、
それが、古代ローマの世界に反映されていくのが、楽しいです。

古代ローマの歴史的な背景はあまり詳しく知らなくて、五賢帝とか当たり前のように出てこられても困ってしまいますが、
おそらく、知識があれば、より楽しめるのだろうと思います。

また、主人公・ルシウスさんの、生真面目で誇り高いローマ紳士っぷりがかっこよくて、
そんな彼が、現代日本の珍奇な文化に翻弄されつつも、ときおり見せる「きゅーっときた！！」みたいな感激の表情が微笑ましくて、読んでいるこっちが「きゅーっと」きたりします。

あと、各話の幕間のコラム「ローマ＆風呂、わが愛」も、興味深くてためになります。