灰原薬「回游の森」、太田出版

『狂気と偏愛』の、『疚しさ』の、短編集です。

田舎の親戚の「逃げ水」
不法投棄の「金魚の墓」
やわらかい「ウォーター」
ヘビの「アンダーグラス」
ドイツのケーキの「黒い森」
ご年配の「舟幽霊」
ふりだしに戻る「死滅回游」

の七編。
「愛情」というよりも「偏愛」という単語がよく似合う、歪んだ感情が沈澱したような作品集です。

登場する女性はみなさん素敵なのですが、
一見強そうなかっこいい女性が脆かったり、かわいらしく見える女性が強かだったり、
なんとも複雑です。

それでも、そんなところに幻想を抱くのが男子の性なんですけどね〜