珈琲時間

豊田徹也「珈琲時間」、講談社

『「コーヒー」をモチーフにした芳醇な短編集。』

17編、というか、16編プラス後日譚、みたいになっていて、チェリストのお姉さんとサングラスの怪しげなおじさまのお話が複数ある以外は、特別なつながりはなさそうな、
多様なというか雑多な、わりとなんでもあり風味の作品集です。

あまり深刻になりすぎず、少し苦めだったり酸っぱめだったりしながらも、
コミカルなお話も多くて、どこかほっとするような感じが、
まさにコーヒーっぽい感じなのでしょう。

個人的には、登場する女性陣が美人さんで素敵な方ばかりなだけで、満足です。

「すぐり」のお姉さんがベストですが、
「深夜+1」や「夢」のような既婚者の魅力も捨てがたく。

「CHOPPED TOMATO PUREE」みたいなのをだめんずとかっていうのかしら?
結局最後までいっしょみたいですが。

年少組は、どこか影を感じてしまって、脆そうで危うく見えてしまいます。

こういう作風だと、年季の積み重ねによる逞しさにこそ、魅力を感じるのかもしれません。