スカイ・クロラ
これは、たしかに映画館で観てよかった作品ですね〜
とにかく、空中戦の迫力がたまらないです。
うちのちっちゃなテレビでは、この迫力は感じられなかったでしょうね〜
お客さんも少なくて、ゆったりくつろげました。
お話はまあお話として、映像面では、なんといっても空の描写が素晴らしいです。
爽やかに澄み渡った広々とした空。
「ポニョ」では海に重点が置かれていたのと好対照に思えます。
この空の爽快感みたいなものを、宮崎駿監督作品に期待していた部分も少なからずあったのですが…
そんな見事な空を背景に、戦闘機が縦横無尽に飛び交います。
特に、たくさんの戦闘機が大きな群れを成して飛ぶ様は、鮮烈です。
お話については、原作は未読なのですが、現代的な閉塞感と、それに対する押井監督なりの解答案、ということみたいです。
なんとなく既視感があるな〜と思ってたのですが、「夢幻廻廊」ってゲームでした。
夢幻廻廊は典型的な館もののゲームなのですが、いろいろおもしろい趣向がこらされているので、18歳以上の方で興味があるようでしたら、是非。
夢幻廻廊に限らず、「永遠」という主題は、ゲームの方が扱いやすそうですね。
閑話休題。
でもないかしら?
繰り返される日常とそれを演じるキルドレたちは、閉塞感を感じながらも、淡々と受け入れているようにも見えます。
むしろ、繰り返しの輪の外から彼らを見守る大人たちや、繰り返しに気付いてしまった人たちによってドラマが生じているように見えます。
スイトさんやミツヤさんの悩みがその最たるものですが、
ササクラさんやフーコさん、マスターといった周囲の存在が、キルドレと対比されて、魅力的に映ります。
ササクラさんの「永久」という名前は象徴的ですね。
というわけで、フーコさんが素敵だと思います。
余談ですが、
以前TVの特集で紹介されていた、人物に対して家具が大きめに描かれているというのは、知ってから観ると、おもしろい視覚効果だな〜と感心させられます。
パンフレットに載っているスイトさんとフーコさんの関係だったり、言われなかったらわかんないような仕掛けもいろいろあるみたいですね〜