崖の上のポニョ
やっとこさ観て参りました。
えーと、よくわかりませんでした、というのが正直な感想でしょうか。
宮崎駿監督の『海が生き物のようにまるごと動画になっている』という言葉通り、
縦横無尽に動き回る海や波や魚たちは、確かに迫力満点で圧倒されます。
ただ、荒れ狂う海というのは、疾走感溢れる躍動的な映像にもかかわらず、
従来の宮崎作品で観られたような解放的な心地よさを感じる場面が少なかったように思います。
ポニョさんが波の上を走り回るところなんかは、観ていてワクワクドキドキして、あ〜宮崎映画だな〜、とか思ったりしたのですが…
球状の黒いネバネバしそうな液体描写は、たぶんもののけ姫での印象が強いせいかもしれませんが、どうにも、死のイメージを喚起するように感じました。
終盤の海の底の場面も、妙に色鮮やかで逆に不安を煽られているように感じてしまったり…
そもそも、海の象徴と思われるグランマンマーレさまが、怖くて仕方なかったのですが、気のせいでしょうか…
大きく包み込むような母性像は、生命の源というよりも、生命の還り着く場所というような、取り込まれそうな恐怖を覚えてしまいます。
逆に、リサさんはテキパキサバサバと颯爽としていて、かっこいいですね。
買い物のときの大股歩きが印象的です。
モールス信号も素敵でした
残念だったのは、クミコさんとカレンさん。
もうちょっとお話しに絡むのかと思いましたが、ほとんど出てきませんでしたね…
きっと、このあとに続くお話では活躍してくれるのではないかと、期待と妄想が膨らみます。
ポニョさんは、思ってたほどはちゃめちゃな感じではなかったかな〜と。
あれならよつばさんと大して変わらないですね?
お話全体としては、セカイ系の宮崎駿版ということになるのかしら…
いちおうぼーいみーつがーるな上に、世界の命運がかかっちゃってみたりして。
ポンポン船で海へ乗り出したりとか、ワクワクします。
主人公たちがちょっぴり若いおかげで、最終的には本人たちはわりと関知しないで、ご両親とか周囲の大人たちの方が世界を守ってくれたみたいですが。
5歳児に世界の命運とか託されても困っちゃいますね。
で、結局のところ、いちばんの見どころは、冒頭のクラゲさんたちだったのではないかと思うのでした。